外装塗装を検討する際には塗料についても慎重に考えなければなりません。使用している塗料によって、値段や耐久性や美観が変わって来るからです。たくさんある塗料の中でも、最近ではアステックペイントが注目されています。こちらの記事では、アステックペイントのどのような点が評価されているのかを解説します。
アステックペイントって何?
アステックペイントは、オーストラリアの塗料メーカーアステックペイントが研究、開発した塗料です。日本ではアステックペイントジャパンが日本の総輸入元となっています。
このアステックペイントの大きな特徴として、オーストラリア製ということが挙げられます。オーストラリアの気候は世界で見ても過酷な自然環境として知られています。例えば、オーストラリアの一部は特に紫外線量が高いと言う話があります。そのような自然環境ですから、建物の塗装についても耐久性が重視されました。
その耐久性の高い塗料が求められるオーストラリアの中で最もシェアを持っているのが、アステックペイントオーストラリア社(本社)なのです。
アステックペイントの塗料には何があるの?
アステックペイントの代表的な特徴は、ピュアアクリル塗料です。アクリル塗料は30年ほど前にさかのぼれば主流でしたが、耐久性の低さや劣化の早さというデメリットがありました。これは塗料の中に不純物が含まれていることが原因の1つなのです。
ピュアアクリルは不純物を徹底的に排除することでアクリル本来の耐久性を実現している所が大きな特徴であり、メリットです。比較的、他の塗料よりも耐久性が高いと評価されているフッ素塗料と同レベルである約15年の耐久性を持っています。
アステックペイントで一般的に知られているピュアアクリル塗料としては、外壁で良く使われている「EC-5000PCM」と「EC-5000PCM-IR」が挙げられます。他にも屋根用の塗料として「EC-100PCM」があります。
アステックペイントの特徴とは?
評価の高いアステックペイントのピュアアクリル塗料ですが、具体的にどのような面で力を発揮するのか気になる人も多いのではないでしょうか?アステックペイントは、紫外線に対して特に強いことが挙げられます。
その耐久性を確かめる試験として、太陽や温度湿度や雨などの条件を人工的に作り出して劣化を促し、どれぐらいまで耐えられるかを試す促進耐候性試験があります。その試験の結果、アステックペイントは紫外線に対して約15~20年の耐候性があると確認されたのです。
他にも、マイナス20度~82度という寒暖差やさらに酸性雨にも強いことが分かっており、アステックペイントの質の高さを裏付けているのです。
伸縮率が非常に高いためにひび割れ対策ができます
アステックペイントが、外壁や屋根の塗装に力を発揮する根拠となっているのが、高い伸縮率です。伸縮率とは、塗膜がどれだけ伸び縮むするのかというものですが、アステックペイントは約600%以上の伸縮率を持つ塗料なのです。
どうして屋根や外壁に使う塗料で伸縮率が強みになるのでしょうか。その理由は、建物の表面にクラックと呼ばれるひび割れが発生するのを防ぐというものがあります。地震などによって建物が揺れてひびができた場合でも、塗膜が伸縮することでその揺れと割れ目に追従して隙間を埋め、水のような異物が侵入するのを防ぐのです。
アステックペイントは対応カラーが豊富
外壁塗装でカラーの選択肢が多い塗料は、特に外観を重視する施主としては嬉しいはずです。遮熱塗料などの特殊な塗料では対応カラーの少なさがデメリットです。しかしアステックペイントは遮熱性のある特殊な塗料でも、50色に対応可能とされています。
一方、遮熱性のない塗料でも数百は対応できるとされていますから、アステックペイントでカラー選びの際に選択肢が広がります。
カビ対策に優れている
アステックペイントは防カビ性能に優れています。国内の防カビ塗料で対応できるのは100~200種類と言われていますが、アステックペイントは500種類以上のカビの菌に対応できるのです。
そのためカビが発生しやすい環境に建物がある、衛生上、絶対に発生させたくない場合にカビ対策としてもおすすめできます。
遮熱性に優れており建物の表面や内側の温度上昇を抑えます
アステックペイントは遮熱塗料としても優秀で、温度の上昇を食い止めます。どんなカラーを選んだのかについても関係しますが、特に屋根に使うと遮熱効果が期待できるのです。これはピュアアクリルに含まれたナノセラミック粒子のおかげです。
このナノセラミックは太陽光を反射するという特徴を持っています。さらに熱を伝えづらいという特徴があるために、屋根の温度上昇を抑えるだけではなく、同時に建物内の温度上昇を抑えることができるのです。
メンテナンスまで含めて長期的に考えるとお得感がある
価格という観点で見てみると、アステックペイントはフッ素塗料と無機塗料の間ぐらいに位置します。一般的に多く採用されるシリコン系塗料では2,500円~3,500円/㎡、フッ素では3,500円~4,500円/㎡が相場です。無機塗料になれば5,000円~5,500円/㎡が相場です。
この値段だけ見ると少し割高だと感じる人もいるかもしれません。ただし、アステックペイントの強みに塗り重ね設計があります。通常の塗替えだと、下塗り、中塗り、上塗りという3回の工程が行われます。
しかしアステックペイントは塗り重ね設計によって、2回目以降は上塗りだけで大丈夫なのです。このような理由から、2回以降の外壁塗装については、メンテナンス料金を大幅に削減できるのです。
まとめ
アステックペイントには、複数のメリットがあります。特に大きいのは、耐久性に優れて劣化がしづらく長持ちすることが代表的なメリットとして挙げられます。また、ひび割れに対してもその伸縮率の高さによって対応できるのも大きなメリットです。
アステックペイントの価格については、フッ素塗料と無機塗料の間ぐらいの位置になりますが、塗り重ね設計という特徴によって2回目以降のメンテナンス時では上塗り1回で済みます。
つまり長期的な外壁塗装によるメンテナンスを考えると、コスト面で非常に優秀な塗料なのです。このように複数のメリットを考えると、アステックペイントによる外壁塗装はおすすめできるのです。