新築してから初めての外壁塗装、見積もりをしてみたもののどうやって見積書を見ればいいのかわからない人も多いはず。外壁塗装はトラブルの多い業界となっていて、きちんと業者を選ばなければ悪徳業者に引っかかってしまうかもしれません。こちらの記事では外壁塗装の見積もりを行なった際にチェックしたいポイントや覚えておきたい注意点について解説しています。

見積もり

見積もりに記載される項目一覧

外壁塗装の見積もりを行なった際、優良な業者は工程や項目ごとに金額を記載してくれます。まずは見積書に記載されることが多い項目の一覧を見てみましょう。

・足場を組む

・養生処理

・高圧洗浄

・下地調整

・下塗り

・中塗り

・上塗り

・付帯部分の塗装

・ベランダの防水施工

・コーキング打ち替え

・保証について

足場から上塗り及び付帯部分の塗装までは外壁塗装の基本となっている工程です。業者によって項目の表記が違ったりまとめられていたりします。ベランダの防水施工やコーキングの打ち替えについては、依頼した場合にのみ記載されます。保証についての項目は業者ごとにかなり異なります。

外壁塗装見積もり時のチェックポイント

「見積書を見ても細かくてよくわからないが、たぶん問題ないだろう」と考えるのは危険です。こちらの項目を参考にして、見積書を細かい部分までチェックしてみてくださいね。

チェック

全工程が記載されているかどうか

見積もり時にまずチェックしたいポイントは、見積書に全工程が記載されているかどうかです。先ほどの一覧でいう足場から上塗りまでの工程全てが記載されていることが大前提。どれかの項目が抜けている場合、その工程を実施してくれない可能性もあります。外壁塗装は必要な工程を1つ行わないだけで寿命が大きく変わってきます。必ず全ての工程を実施してくれることをチェックしましょう。 

塗装面積や数量が具体的に記載されているか

外壁塗装の施工費用は塗装の面積や数量によって決められるのが一般的です。見積もりの段階でこれらの数値が具体的に記載されているかチェックしておく必要があります。具体的に記載されていないと価格設定が不透明になるため、本来の価格よりも高い費用を請求されてしまうかもしれません。

3度塗りで施工をしてくれるか

多くのケースで外壁塗装は下塗り、中塗り、上塗りの3回の工程で塗装を行います。見積もりを行った際には塗装工程がきちんと3度塗りになっているかどうかをチェックしましょう。悪徳業者は中塗りの工程を飛ばしてしまうケースもあり、これでは塗料本来の性能を発揮することができません。耐久性の面でも不安が残るため、忘れずにチェックしたいポイントです。

ただし、業者によっては「上塗り」とだけ記載されたところに中塗りと上塗りが含まれている場合があります。イレギュラーな見積書を受け取った場合、塗装の工程が3回になっているかどうかは確認しておくことが賢明です。

塗料の名前やグレード・種類など詳細が書かれているか

見落としがちなのが塗料の詳細についてです。選ぶ塗料によって耐用年数が変わってくることはご存知でしょうか。耐用年数とは簡単にいうと「その塗料を使って何年もつのか」という目安となる数値です。例えばアクリル塗料は耐用年数が短く、フッ素塗料は耐用年数が長いことで知られています。

塗装

フッ素塗料を例にとると、同じフッ素塗料の中にもいくつかのグレードがあり、またメーカーによって製品も異なります。どの塗料を使用するかによって耐久性は少しずつ変わってくるので、必ず見積もり時には塗料の詳細が書かれているかどうかを確認しなければなりません。

悪徳業者は同じ塗料の中でもグレードの低いものや、安い製品を用いて経費を抑えようとします。「勝手に安い塗料を使われた」という事態に陥ってしまわないよう、あらかじめなんの塗料を使うのか明確にしておくことが大切です。 

一部分で塗料のランクが落ちていないか

こちらもよくありがちなトラブルですが、悪い業者は主要部分だけ要望通りの塗料を使い、細かい部分は安い塗料で済ませようとすることがあります。もちろん、外壁や塗装箇所によって複数の塗料を使い分けるのは普通です。例えば光触媒塗料を使って外壁塗装をする場合は、性能を発揮しにくい北側の壁だけ別の種類の塗料を用いることがあります。

このようにあらかじめ依頼主が納得している場合は問題ありませんが、業者が勝手に一部分だけ安い塗料を使うのは施工品質が落ちる理由になってしまいます。どの箇所にどの塗料を使用するのか、契約前に把握しておくことが大切です。

高圧洗浄は業務用のもので実施されるか

見積書に全ての項目が記載されているからといって安心してはいけません。チェックしたいのは高圧洗浄が業務用のもので実施されるかどうかというポイントです。高圧洗浄機には家庭用のものと業務用のものがあり、もちろん業務用の高圧洗浄機の方が威力は強く汚れをきれいに落とせます。

高圧洗浄

悪徳業者は経費削減のために家庭用高圧洗浄機を用いて手抜きの高圧洗浄を行うことがあります。高圧洗浄が十分に行われなければ、せっかく塗装をしてもすぐに剥がれ落ちてしまう可能性も。きちんと業務用の高圧洗浄機が用いられているかチェックしましょう。

安すぎず高すぎずバランスのとれた適正価格かどうか

見積もりの段階で思った以上に金額が安かった場合、とても嬉しくなると思います。しかし外壁塗装は安ければいいというものではありません。外壁塗装には適正価格があり、住宅によってだいたいの相場が決まってきます。相場よりも安すぎる金額の見積もりに喜んでいると、手抜き工事をされるリスクも出てきますので注意しましょう。

また、逆に高すぎる施工費用はもちろんNGです。見積書の一部の項目だけ費用を釣り上げ、適正価格よりも高い金額で契約を取ろうとする業者もいます。適正価格を知るためには複数の業者で見積もりを行うことが必須です。

外壁塗装の見積もり時に覚えておきたい注意点

それでは次に、外壁塗装の見積もり時に覚えておきたい注意点を紹介します。これを知っておけば悪徳業者に騙されてしまうなどのトラブルを防ぐことができます。

トラブル

「コミコミ価格」に注意!

業者によっては「足場から塗装までの工程を全て含めて、コミコミでいくらです」のように見積もりを出してくることがあります。しかし先ほどもお伝えしたように、外壁塗装の見積もりはそれぞれの項目で金額がわからなければ危険です。不透明な価格設定はトラブルのもとになってしまうので、コミコミ価格で見積もりを出してくる業者は選んではいけません。

「キャンペーン価格」に注意!

訪問販売の業者がよく用いる営業トークですが、「足場代無料」や「期間限定セール価格」など各種キャンペーン価格を見積もりで出してくる業者には注意しましょう。キャンペーンは魅力的ですし、「閑散期だから安いのだろう」と考えるのも自然ですが、キャンペーン価格でいずれかの工程の費用が安くなっていても、他の工程が高くされていることもあります。

オリジナル塗料を使った施工に注意!

見積もりを受け取る際に「自社で開発したオリジナル塗料を使用しているため、相場よりも安い価格で施工ができる」「大手メーカーの製品より長持ちする」などと宣伝してくる業者には注意です。悪徳業者の手口として「塗料のラベルを貼り直して自社製品のように見せる」というものがあります。あまりにも安すぎる塗料の価格を提示してきたり、長すぎる耐用年数を宣伝してきたりする場合は、その業者を疑うのが賢明です。

悪い

あまりにも長い保証期間に注意!

全ての業者で行われているものではありませんが、外壁塗装には一定期間の保証が付く場合があります。保証期間内に不備があれば無償で修繕してくれたり、塗料を塗りなおしてくれたり。数年間の保証期間であれば適正ですが、何十年もの保証期間が用意されている場合は疑いましょう。そもそも外壁塗装は10年程度が平均的な寿命です。それ以上に長い保証期間は怪しいので注意です。

また、長い保証期間が用意されていたとしても、その業者が倒産してしまっては保証を受けられなくなります。中小企業などはより倒産のリスクが高いため、「保証があるから大丈夫」と安易に考えないことをおすすめします。

まとめ

いかがでしたか。外壁塗装の見積もりを行なった際にチェックしたいポイントや覚えておきたい注意点について解説しました。見積書はチェックポイントと注意点を押さえればその業者の特徴を知ることのできる便利なタイミングです。適当に業者を選ぶのではなく、きちんと見積もりの中身を確認してから決めるようにしましょう。