外壁塗装をする際には、外壁だけではなく屋根にも注目する必要があります。屋根で注意しておきたいのは、断熱や遮熱のことです。屋根に断熱や遮熱対策を行う時には気をつけなければならないポイントがたくさんあります。ここでは屋根の断熱や遮熱について解説します。
屋根に断熱の施工をした方が良い理由
基本的に屋根は家を筆頭に建物の中で一番ダメージを受けやすい箇所です。家を建ててからずっと紫外線や雨や風、雪、温度の変化など、大きな負担がずっとかかり続けます。そのために外壁よりも劣化が早くなってしまうのです。
また、屋根は日常的に目視をすることがむずかしい場所です。そのために劣化しても気づかずそのまま放置しやすい場所なのです。だからこそ外壁と同じく普段から注意する必要があります。
天井断熱と屋根断熱の2つの工法がある
屋根に用いられる断熱対策には屋根断熱と天井断熱の2つがあります。屋根断熱は屋根に断熱材などを設置して夏場の太陽による熱を抑え、冬場は冷気をシャットアウトします。これによって屋根は一定の温度を保つことができるのです。
屋根断熱の場合、屋根裏部屋などデッドスペースになりがちな部分を有効活用できます。また、結露が起きにくくなるなどのメリットはあります。ただし、施工費用は少し高くなりがちなのは無視できません。
一方の天井断熱は屋根ではなく、天井部分に断熱材を設置して断熱をする方法です。屋根断熱より施工が簡単なため費用は安くなります。ただし、夏場などは高温になりがちなのでこまめな換気が必要です。また、基本的に屋根裏を使用できなくなります。ただ、屋根裏に断熱材を使用すれば、収納部屋程度は作ることは可能です。
屋根の断熱対策をした方が良いタイミング
新築やリフォーム時などが屋根の断熱対策として適切なタイミングです。ただし、リフォームなどでは、屋根材によりタイミングが大きく異なるのは無視できません。耐用年数で考えると、粘土系瓦や金属系のガルバリウム鋼板は20年~30年です。
一番耐用年数が短いのはトタン屋根で約5年~8年となります。屋根は断熱を考えることも大切です。ただ、明らかに劣化して雨漏りが発生している、夏はとにかく暑くて冬がかなり寒く感じられるならその時も屋根の断熱対策をするべきタイミングとして考えましょう。
屋根が劣化したことを知らせるサイン
・塗料が剥げている
・屋根の反り
・色あせや変色が起きている
・金属部分にサビが生じている
・棟板金の剥げ
・コケやカビが生えている
・雨漏りなど屋根が原因のトラブルが発生している
断熱塗料や遮熱塗料で屋根を守りましょう
新築でもリフォームでも屋根を守るためには、使用する塗料にも注意を払う必要があります。その時、断熱塗料と、遮熱塗料、どちらが良いのかはしっかりと選びましょう。この断熱と遮熱には似ているようでまったく異なる特徴があるので注意してください。
遮熱は熱を反射する方法です。一方の断熱は熱が伝わりにくくする方法です。どちらも熱がポイントになるのは共通しています。また、断熱と遮熱を考える時には、季節のことも踏まえて考えなければなりません。
断熱塗料を使った屋根の場合、冬場、冷気や寒さをシャットアウトできます。しかし遮熱は熱を反射させることはできますが寒気への対策はできないのです。
断熱・遮熱塗料を検討する際のポイント
・天井断熱と屋根断熱という工法がある
・遮熱塗料は夏の日差しへの対策に強みがある
・断熱塗料は夏や冬関係なく対応可能
断熱・遮熱塗料の耐用年数はどれぐらい?
断熱塗料や遮熱塗料にはそれぞれメリットとデメリットがあります。ただ、断熱塗料と遮熱塗料、どちらがより長持ちするのかという問題は避けて通れません。
一般的に遮熱塗料の耐用年数は約10年~20年です。断熱塗料の耐用年数は約15年~20年となります。耐用年数だけで考えると、遮熱塗料よりも断熱塗料の方が長持ちします。コスト面で考えると断熱塗料の方が高くなります。
ただし、自治体によっては補助金を受けることができます。受けられる条件を満たしているなら、管轄している役所に相談をしてみてください。
ガイナという断熱塗料は評価が高い
断熱や遮熱塗料で業者内でも評価が高いのは「ガイナ」という塗料です。これは宇宙航空研究開発機構が開発した塗料を元にした塗料です。もともとはロケットや人工衛星のために開発された塗料であったため、結露を予防する働きもあるのです。さらに防音力についても定評があります。
耐用年数のポイント
・耐用年数で言えば断熱塗料の方が長い
・ガイナという塗料はプロの評価も高い
・補助金を出す自治体もある
屋根の断熱塗料で押さえておきたい注意点
遮熱塗料でも断熱塗料でも外壁塗装業者に依頼をする時には注意点も理解しておいた方が良いでしょう。屋根の素材によってはあまり効果が期待できないこともあるからです。ここでは、断熱、遮熱塗料に関する注意点を解説します。
断熱・遮熱塗料は金属系の屋根に適している
断熱、遮熱塗料が一番効果を発揮できるのが、ガルバリウム鋼板などを使った金属系の屋根です。また、トタン屋根にもおすすめです。金属という素材は熱伝導率が高いことが特徴のため、断熱、遮熱塗料が適しているのです。
温度が高くなりやすい屋根か条件をチェック
建物は階数が高ければ高いほど最上階は太陽に近くなります。屋根裏の空間が取れないことや金属の屋根を使っているのでしたら、屋根が熱くなる可能性は高いです。屋根の温度が高くなる建物では、断熱、遮熱塗料が向いているでしょう。
色によっても効果が異なります
色にも気をつける必要があります。基本的に白などの明るい色の方が光を反射させたり、熱が伝わりづらくなったりするからです。より、断熱や遮熱効果を発揮させたいなら、明るい色を選ぶのがおすすめです。
ただ、外壁などには色がついていることも忘れないようにしてください。断熱、遮熱塗料を使用することでカラーバランスが崩れる場合もあるからです。その点は、外壁塗装業者と綿密に相談をして決定しましょう。
断熱・遮熱塗装で押さえたい注意点まとめ
・金属系の屋根に適している
・温度が高くなりやすい屋根かどうか確認
・色でも効果に影響がある
まとめ
屋根の断熱や遮熱について深く理解すれば、効果的に温度への対処ができます。断熱や遮熱塗料だけではなく、屋根の素材も踏まえて対策を考える必要があります。クーラーや暖房によっても対策はできますが、それだけでは十分とは言えません。屋根に使う素材や断熱塗料も大きな対策になるので検討してみてください。