近年、外壁塗装業界で注目を浴びているのが光触媒塗料です。光触媒塗料は最近登場してきた新しい塗料で、現代の科学を駆使して作られた高性能な塗料となっています。

こちらの記事では光触媒塗料の特徴やメリットとデメリット、検討する際の注意点などを紹介しています。きっと有用な情報が見つかるので、ぜひ最後までご覧ください。

光触媒塗料とは

酸化チタンを原料として作られる新しい塗料が光触媒塗料です。光触媒塗料はこれまでの塗料とは異なる性質を持っていて、外壁の防水をしてくれるなど様々な機能を持った塗料です。

化学反応を活かして外壁をキレイに保ってくれる塗料として知られていますが、人体に有害な物質を放出する訳ではないため、不安なく導入できる塗料となっています。

光触媒塗料を導入するメリット

様々なメリットから需要が拡大しているのが光触媒塗料です。まずは光触媒塗料のメリットを見てみましょう。 

外壁をキレイにしてくれるセルフクリーニング効果がある

光触媒塗料を用いて外壁塗装をするメリットとして最も大きいものが、光触媒塗料のセルフクリーニング機能です。セルフクリーニングとはその名の通り、掃除をしなくても勝手に外壁をキレイにしてくれる性能です。

光触媒塗料は太陽の光に当たると活性酵素が発生するという特徴があります。これにより自動車の排ガスをはじめとする様々な大気中のゴミが付きにくくなります。

掃除

さらに、光触媒塗料は優れた親水性を持った塗料であり、水と馴染みやすい塗料であることが知られています。

外壁に付いてしまった汚れも雨により浮かせることが可能で、外壁の表面に浮かび上がった塗料は雨で自然に洗い流されます。これがセルフクリーニング機能を持った光触媒塗料の最も大きなメリットで、光触媒塗料を使用すればより自宅の外壁を美しい状態で維持することができるでしょう。 

耐久性に優れ、長期間使用できる

光触媒塗料にはセルフクリーニング機能の他に、耐用年数が長いというメリットもあります。外壁塗装でよく使用されるウレタン塗料やシリコン塗料よりも圧倒的に長い耐用年数が光触媒塗料の魅力で、長ければ20年程もつとされています。

トータルで考えるとコストが抑えられることもあるので、光触媒塗料は使用するメリットが十分にある塗料となっています。 

カビや藻の発生を防ぐ効果がある

光触媒塗料にはカビや藻の発生を予防できるという性能もあります。湿気の高い場所では外壁にカビや藻が発生してしまいます。しかし光触媒塗料を使って外壁塗装をすれば、通常の塗料よりもカビや藻が発生してしまう可能性は低くなります

防カビ性や防藻性に優れているのはもちろん、光触媒塗料は数多くのメリットがある塗料なのです。 

光触媒塗料を塗るだけで空気がキレイに!?

他の塗料には見られない、光触媒塗料ならではの性能があります。それは、光触媒塗料を外壁に塗るだけで空気が浄化されキレイになるというものです。緑色の葉を持った木を何本も植えた場合に匹敵するほどの空気清浄機能があるとも言われていて、光触媒塗料は環境にも優しい塗料となっているのです。

森

それ以外に消臭効果や遮熱の効果も持っている塗料で、色々なシーンで活用しやすい塗料です。 

光触媒塗料のデメリット

高性能で耐久性もバツグンな光触媒塗料ですが、実は使用できる条件が限られているなどのデメリットが存在します。デメリットについても適切に理解した上で外壁塗装に導入することが大切です。 

高性能なぶんコストがかかる

先ほどの項目で説明した通り、光触媒塗料はとても高性能な塗料となっています。

一般的に使用されるシリコン塗料が単価あたり2,000円〜3,000円程度で施工できるのに対して、光触媒塗料は単価あたり4,000円〜5,000円程度の費用が必要になってしまいます。光触媒塗料の方が耐用年数が長いことを考慮しても「トータルコストでお得になる」ということはありません。

お金

機能性で選ぶには最適な光触媒塗料ですが、施工にかかるコストが大きくなってしまうのは避けられないデメリットです。 

業者の施工技術の高さが問われる

施工には一定の技術が必要となり、どの業者でも簡単に施工できるものではないのが光触媒塗料の特徴です。以前、光触媒塗料は認定を受けた施工店にしか依頼できないものでした。

現在では認定された施工店でなくとも施工してもらうことができますが、高い施工技術が必要となることには変わりありません。通常の塗料でも優良な業者を選ぶことが大切になるものの、光触媒塗料を使用して施工する場合はより注意して業者を選ぶことになります。

日当たりの悪い外壁では効果を発揮しづらい

太陽の光が当たることにより最大の効果を発揮してくれるのが光触媒塗料の特徴です。そのため、日当たりの悪い外壁ではその性能がイマイチ発揮されません。

住宅の北側や建物の陰に隠れてしまうところなどは、光触媒塗料を塗ったとしてもそれほど効果を期待できないため、使用する外壁を的確に見極める必要があります。せっかく高い施工費用を払っても光触媒塗料の効果が少なくなっては意味がないですよね。 

屋根や特定の外壁では使えない

現在、屋根塗装用の光触媒塗料はどのメーカーからも販売されていません。そのため外壁に光触媒塗料を用いたとしても屋根には別の種類の塗料を使用する必要があります。

さらに、特定の外壁では使えないのも光触媒塗料のデメリットです。例えば外壁材が石や木のものでは使用することができません。光触媒塗料は限られた条件下で使用できる塗料なのです。 

光触媒塗料を扱っている塗料メーカーは? 

工場

販売終了の光触媒塗料 TOTOハイドロテクトコート

現代の光触媒塗料の草分け的な存在であるTOTOが販売していたハイドロテクトコートという塗料は、既にその販売が終了してしまっています。在庫のある業者ではこれを使用して施工をすることもできますが、探すのは難しいかもしれません。もし依頼する場合は保証の期間などをしっかり確認してから依頼するのがいいでしょう。 

大手3塗料メーカーでは取り扱いがない

塗料メーカーには国内で3つの大手が存在しています。それは日本ペイントとエスケー化研、関西ペイントです。これら大手の3塗料メーカーでは光触媒塗料が取り扱われておらず、光触媒塗料を選びたいのであればそれ以外の塗料メーカーのものを使用しなければなりません

なぜ大手3塗料メーカーで光触媒塗料が販売されていないのかはわかりませんが、信頼できる塗料メーカーを選びたい人は光触媒塗料に手を出しにくいかもしれません。 

やたらと光触媒塗料ばかり勧めてくる業者は危険

施工費用が高額になる光触媒塗料だからこそ、悪徳業者はとにかく光触媒塗料で契約を取ろうとします。「自社で開発した光触媒塗料が〜」などの宣伝文句を言ってくる業者は間違いなく悪徳業者ですので、依頼してはいけません。

NG

先ほどもお伝えしたように光触媒塗料には一定の施工技術が必要となりますので、依頼する際はその業者の施工実績なども確認しておくようにしましょう。 

まとめ

いかがでしたか、光触媒塗料の特徴やメリットとデメリット、検討する際の注意点などを紹介しました。耐久性に優れていたり雨で外壁がキレイになるセルフクリーニング機能を持った光触媒塗料は自宅の外壁に導入したい理由がたくさんあります。

しかしまだまだ新しい塗料ですので、その扱いに不慣れな業者も多いです。きちんと内容を確認し、信頼できる優良業者へ施工を頼むのが得策です。