外壁塗装では塗装をする前に完成イメージを明確にすることが大切です。外壁塗装業者と打ち合わせをする時、何も考えずに話を進めると結果がひどいものになりやすいからです。外壁塗装は簡単にやり直せるものではありません。だからこそ、事前の打ち合わせが重要なのです。

業者との打ち合わせをスムーズに進めるには、具体的なイメージを明確化しなければなりません。ただ好きな色を選ぶだけで大丈夫というわけではないのです。こちらの記事では外壁塗装でイメージを明確化させるにはどんなことに注意すればよいのか解説します。

家族と相談して色の系統を統一しよう

自分だけが住む家ならただ自分好みにすれば良いですが、家族もいるのでしたら独断では決められません。家族みんなの意思がまとまれば、より良い外壁塗装を行えるはずです。

パレット

家族の意見がまとまらない原因の1つに、みんなが好き勝手に自分の好きな色を言うというものがあります。家族全員の好みの傾向が似ているのでしたら、まとまることもありますが、そうでない場合は難しいでしょう。例えば、落ち着いたクールな色と派手でカラフルな色でバランスを取るのはなかなかむずかしいことです。

外壁塗装の色を決める上ではまず、ベースとしての色系統を統一させることが大切です。そうすることで失敗のリスクを低くできます。

カラーシミュレーションが便利です

外壁塗装の色を決める時は、あらかじめカラーシミュレーションを行っておくのがおすすめです。カラーシミュレーションとはコンピューターによって色の組み合わせを試すことができるシステムのことです。

スマホ

カラーシミュレーション自体は特殊な装置が必要というものではなく、パソコンやスマホアプリなどでも手軽に利用できます。まずはカラーシミュレーションで色のバランスを考えておけば、どのような色の組み合わせがしっくりするのかイメージをはっきりさせる助けとなるのです。

専門業者の精密なカラーシミュレーションでも確認しよう

色のバランスはもちろん大事ですが、色の組み合わせだけですべてを判断するのはあまりおすすめできません。外壁塗装業者によってはインターネットなどで利用できるものよりも、専門的なカラーシミュレーションを行えるソフトを持っている所もあるからです。

例えば、色だけではなく、実際に自分の家に塗装をした時の結果を映像として出してくれる機能などがあります。このような精密なカラーシミュレーションを利用することで、より明確な色の組み合わせを見つけられることでしょう。

また、実際の塗料の色を使ってシミュレーションされるのもポイントです。特に外壁塗装業者が利用するカラーシミュレーションでは、新築かリフォームなどは関係なく検討している建物をコンピューターに取り込むことができます。そのため実際に外壁塗装をした時に近い状態を視覚的に見ることができ、これは大きなメリットです。もちろん外壁だけではなく屋根などのカラーシミュレーションにも役立ちます。

ただしカラーシミュレーションだけでの判断はNG

カラーシミュレーションはとても便利なシステムですが、実際に外壁の色を決める時、パソコンやスマホで行えるカラーシミュレーションだけで判断するのはNGです。

バツ

その理由としてまず挙げられるのは、シミュレーションの建物は自分の家とは構造が異なるという点です。他の家ではしっくり来るけれど、自分の家では違和感を覚えるカラーになったという事態になってしまうかもしれません。また、自由度が高い分、奇抜なカラーリングになってしまい、カラーシミュレーション上では良かったけれど実際には奇抜過ぎる配色になることも否定できません。

さらに、外壁塗装業者などのカラーシミュレーションだと、その業者の好みの配色パターンしかないケースもあります。こういった点も理解しておいた方が良いでしょう。

外壁塗装でイメージが違うとならないためのポイント

外壁塗装ではカラーシミレーション以外にも気をつけなければならない所があります。その点を注意すれば、リフォームでイメージチェンジに失敗したという悲劇も防ぐことができます。最後に、外壁塗装の仕上がりを明確にイメージするためのポイントを解説します。

外壁塗装で塗り替えができない部分も考慮に入れよう

カラーシミュレーションを使った時、色と色の組み合わせの相性だけを見てはいけません。建物次第では塗装をしない部分があるということも考える必要があるからです。例えばサッシなどに塗装をすることはできません。色と色の相性は良かったのに、結果として塗装しない部分が妙に目立つカラーリングとなる可能性もあるからです。

また、外壁と屋根の色バランスにも気をつけてください。基本的にどんな色の組み合わせでも全体的な統一性が重要になるからです。

他の住宅との調和も考えよう

周囲の環境についても考えなければなりません。自分の家なのだから自由にしても良いだろうと考えるのも当然です。もちろん基本的には好きな色にすれば良いのですが、あまりに奇抜な配色になると浮いてしまう可能性があります。そのため隣近所はもちろん、周辺の色と調和させることも考えることをおすすめします。

アクセント

他の人の家はどのような色なのかも含めて決めた方が、結果として浮いてしまう奇抜な色にならなくて住むのです。極端なことを言えば、周りが奇抜な外壁色の色ばかりだと落ち着いた色は調和を崩すことにもつながります。外壁塗装の色を決める際には周りの家の外壁についても考慮しましょう。

建材や塗料の特徴も踏まえてイメージを描こう

外壁塗装の仕上がりについて具体的なイメージをするには、外壁の建材や塗料にも注目したいところです。カラーシミュレーションを使用した時は違和感のない色でも、塗料や外壁の素材の影響により結果が少し異なる印象になる場合があるからです。

見本の住宅を参考にイメージするのがおすすめ

見本になる家を見つけていれば、どのような塗装になるのかが見えてきます。カラーシミュレーションはもちろん、色見本などで自分が良いと感じても「実際の仕上がりが少しイメージと違った」というケースは少なくありません。それは色見本などを見る環境も見え方に影響を与えるからです。

ランプ

例えば、部屋の電灯と太陽の光の下で見た色見本でもはっきりと違ったり印象が大きく異なったりする場合があります。つまり、それぞれ異なる種類の光の下で色見本を見ることが、イメージ通りの仕上がりにするコツです。

「面積効果」と呼ばれる目の錯覚で色の見え方が変わります

色見本やカラーシミュレーションで色を見る時は、外壁の面積にも気をつける必要があります。なぜかというと、広い面積と狭い面積では「面積効果」と呼ばれる目の錯覚でイメージが変わってしまうからです。

面積効果とは、面積が大きな外壁で明るい色を選ぶと実際に塗装をした時、色見本よりも明るく見えるというものです。逆に薄い色の場合、面積が広ければより薄く見えてしまいます。このような目の錯覚についても考慮して色を選ぶことで、イメージを明確化させられます。

まとめ

外壁塗装は簡単にはやり直しができないもの。お金に余裕があるなら話は別ですが、100万円単位をポンと簡単に出せる人は限られます。そもそも最初で失敗しなければ無駄にお金を使わなくても済むのです。

お金を無駄にしないためには、外壁塗装をする際の仕上がりイメージを明確に持つことが大切です。そのためにはカラーシュミレーションの利用もした方が良いですし、事前にご家族とどのような色にしたいか統一させることも大切です。きちんと考えてイメージを明確化することで、実際に塗装してもイメージとかけ離れたものになる可能性を低くできるのです。