外壁塗装の施工は1日では終わりません。気温や天候に左右される作業のため、予定より工期が延びてしまう場合もあります。それでも大体の期間を理解しておけば、スケジュールを調整しやすくなります。
予定より長くなってもその理由を事前に把握しておけば、業者に対する疑念が生じて不安になることはありません。逆に、見積もりなどで想定より短すぎる工期を提示された時、本当に信頼できる業者かどうか見極める判断材料にもなります。
建物の種類別 おおよその施工期間
外壁塗装を施す対象は一戸建てだけとは限りません。アパートやマンションのような建物も外壁塗装は必要です。中には大家という立場で外壁塗装を検討されている方もいるのではないでしょうか?外壁塗装をする対象別におおよその施工期間を解説します。スケジュールを組む際の参考にしてみてください。
一戸建ての外壁塗装
業者にもよりますが、一戸建ての外壁塗装はだいたい10~14日ほどと考えておくと良いでしょう。工程だけなら、10日程度で終わる場合もあります。しかし14日程度と考えた方が良いのは、天候や気候に左右される作業であることも踏まえておかなければならないからです。
例えば、雨や湿度などの影響で外壁塗装ができない場合もあります。雨が増える季節に外壁塗装を検討している方は特に注意しましょう。このような理由から、長くて14日程度の施工期間を見ておく必要があります。
アパートの外壁塗装
規模も踏まえて考える必要もありますが、例えば70坪程度のアパートの場合なら、一戸建てと同じく10~14日程度を目安にしておくと良いでしょう。もちろん天候や気候に左右されるため、余裕を持ったスケジュールを作る必要があります。
アパートは一戸建てより慎重な判断が必要です。入居者への責任や経営という面からも考えなければなりません。見積もり時に工期が短く、相場と比べて値段も激安だからという理由で業者を選ぶと、失敗につながる可能性があります。
例えばいい加減な外壁塗装をされて、通常より早く外壁塗装が劣化すれば、また費用がかかるだけではなく入居者にも迷惑がかかります。その点からも、工期には注意しましょう。
マンションの外壁塗装
一戸建てやアパートと比べるとマンションの規模は大きいものです。規模に比例して、外壁塗装の工期も長くなると考えましょう。目安は、50戸ぐらいで2ヶ月程度です。50戸以上では2ヶ月以上の工期が必要です。もっと大きなマンションでは3ヶ月~4ヶ月以上かかることも珍しくありません。
また、外壁塗装だけではなく、屋上やベランダの防水加工が必要な場合もあります。一戸建てやアパートより、外壁塗装の対象になる場所や部位が多いためです。もちろんマンションの外壁塗装も極端に少ない工期で行うのは止めた方が良いでしょう。
理由はアパートと同じく、入居者への影響と責任や経営面のことも考えなければならないからです。中途半端な外壁塗装で後々トラブルが生じればマンションの評判にも悪影響が出てくるので注意しなければなりません。
外壁塗装の期間が長くなる理由
どうして外壁塗装の工期には2週間もかけなければならないのでしょうか?理由としては、塗料が乾きづらいことや、天候や気温、湿度によって施工ができないことなどがあります。
さらに外壁塗装は壁に塗料を塗るだけの簡単な作業ではないことも理解しておきましょう。外壁塗装の工程を知れば、長くなる理由も納得できるはずです。
足場を組む
外壁塗装のためには職人が安心して仕事ができる足場作りが重要です。この足場作りは一戸建てでも最低1日は必要です。まず足場材を現場に運んで組む作業があります。足場作りがいい加減だと事故につながるため、安全性の面からもしっかり行う必要があります。
また、足場の組み立てには「足場の組立て等作業主任者」という資格者が必要です。依頼する業者に「足場の組立て等作業主任者」がいない場合、専門業者に依頼しなければならないケースもあります。その影響で工期が延びることもあります。
養生・高圧洗浄・下地処理
足場を組んだら、周囲を汚してしまわないように養生が行われます。足場を組み養生が終わると、次は外壁などの汚れを取り除く高圧洗浄の工程があります。高圧洗浄は家についたカビ、コケやゴミのような汚れを落とす水洗い作業で、1~3日程度の時間がかかります。
さらにヒビが入った部位や、塗膜を剥がす、シーリング・コーキング、金属のサビ、コンクリートやモルタルなど細かい部分の補修を1日ほどの期間で行います。これは下地処理と呼ばれ、劣化が激しい場合だと数日かかる場合もあります。
塗装の工程には下塗り・中塗り・上塗りの3つがある
先ほどの工程までは下準備ですが、ここからは塗料を塗る工程に入ります。外壁塗装は基本的に3度塗りで行われ、それらは下塗り、中塗り、上塗りと呼ばれます。下塗りは中塗りや上塗りをきちんと密着させるために行う作業です。下塗りの場合、透明な塗料と色付き塗料があります。
下塗りが乾くと、次は中塗り、上塗りに進みます。中塗りと上塗りは同じ塗料を使います。塗装の工程にはそれぞれ1日を要するため、合計で3日は必要です。
屋根や雨どいなどの塗装も必要
最後に、外壁以外の細かい部分を塗装していきます。これは付帯部分と呼ばれ、屋根や雨どいや雨戸などの塗装です。その後は塗り残しや塗りムラがないか確認を行い、依頼主が出来栄えを確認します。
チェックの際に問題があるなら手直しを行いますが、これにも1日程度の時間が必要です。塗り残しや塗りムラを目視する際、適当ではなく、遠目からと近くでチェックしましょう。遠目と近くでは見た目の印象が違う場合があるからです。
確認が終了すれば足場の解体と撤去、片付けが行われ、この作業にも1日かかります。このようにそれぞれの工程で最低1日は必要なのです。また、これも気候や天候を見ながらの作業となるので時間がかかります。
外壁塗装を依頼する業者選びの注意点
外壁塗装を依頼する際、悪徳業者には気をつけましょう。無理やり外壁塗装をさせようと不安をあおる、ありえないほどの大きな値引きを簡単に行う、足場などある工程の無料キャンペーン、オリジナル塗料という宣伝文句、工賃の先払いの要求などがあるなら悪徳業者の可能性があります。
外壁塗装は専門的な知識が必要なため、消費者には分からないのを良いことに、手抜きやお金だけ取って逃げるなどの悪徳業者も存在します。だからこそ外壁塗装を依頼する業者は、慎重に見極める必要があるのです。
期間が10日以下の業者は要注意
主な工程をご紹介しましたが、外壁塗装は外壁の状態や、丁寧にやればやるほど時間がかかる作業です。また、気候や気温や湿度という条件面も影響するため、工期は最低10日程度必要なのが一般的です。
10日以下の極端に少ない工期を提示する業者の場合は特に注意が必要です。手抜き、必要な工程を省く、塗料に悪影響がある天候や気候でも関係なく作業を行う可能性があります。そのような悪徳業者に依頼すると、外壁塗装をしたのにすぐ劣化が生じるなどの問題が起きる可能性があるので気をつけましょう。
まとめ
いかがでしたか。外壁塗装にかかる期間や工期について解説しました。外壁塗装は天候によって施工の進度が変わってくるため、少し余裕を持ったスケジュールを組む必要があります。