外壁塗装で失敗しないためには見積書の内訳をきちんと確認することが大切です。特に初めて依頼をする外壁塗装業者を全面的に信頼すると痛い目にあう可能性があります。ただ、見積書の内訳を見ても、分からないことも多いはずです。外壁塗装の見積書で一般的に記載されている項目や内訳を理解しておきましょう。

外壁塗装の見積書にはどんな項目が記載されているのか

電卓とペン

・工事
・塗料
・足場
・養生
・洗浄

外壁塗装の見積書の内訳は、業者によって多少異なる部分はありますが一般的に上記のような内容が書かれています。それぞれ、外壁塗装では必要な作業と考えてください。では、具体的にどのような内容かを解説します。

工事

工事は施工費用や人件費であり、塗装職人が行う作業に対する費用と考えてください。内訳として、塗料が飛び散るのを防ぐ飛散防止ネットや養生、施工代金が含まれていることが多いです。

施工業者によって、飛散防止ネット・養生・高圧洗浄など細かく分けて内訳を記載しているところもありますが、まとめて見積書に記載している場合もあるため注意してください。

また、工事費用の中に付帯塗装工事が含まれているか、別に分けられているかもチェックが必要です。付帯塗装工事とは、シーリングの打ち替えや増打ち、他にも雨戸や、雨桶や軒天などがあげられます。さらに、現場管理費や、廃材処理費用などが含まれていることも多いです。

見積書に記載されている内訳が単に工事費用などとおおざっぱに書かれているだけなら注意してください。「もう少し詳細に工程の内訳を書いて欲しい」と業者に依頼し、細かい部分で問題がないかチェックしましょう。

塗料

中塗り・上塗りという項目ではどのような塗料が使われているかも記載されています。業者によっては下塗りと合計した内訳で見積書に記載している場合もあるため、細かくチェックしておきたいところです。

塗料に関してはグレードによって価格が異なるため、特に注意することをおすすめします。見積もりに記載された塗料の価格ですが、塗料の価格と共に、塗装面積も書かれているかどうかも確認しなければなりません。見積書に記載されていない場合、業者に「塗装面積はどれぐらいか?」と確認してみてください。

足場

足場代は、外壁面積全体の㎡(平方メートル)で見積書の内訳として記載されていることが多いです。外壁塗装の見積もりでは、基本的に足場代の項目がないケースはまずありません。足場は外壁塗装で必要不可欠だからです。また、足場を作る場合、建材を仕入れるための費用が必要となります。

足場代の内訳がなく「サービス」としている場合、少し注意してください。どこかで帳尻が合わされている可能性があるからです。本当に足場代を無料としたら、外壁塗装工事を行なえば行うほど赤字になるからです。このような点から、足場代が含まれているかどうかは、見積書をチェックするときに重要なポイントと意識してください。

費用相場は内訳の塗料代・工事代・足場代がポイント

足場

外壁塗装の費用相場の内訳をチェックする場合、塗料代、工事代、足場代がポイントと考えてください。業者により、細かい点で異なる部分はありますが、全体で考えると、塗料代は約20%、工事代が約30%、足場代が約20%が一般的な比率です。

ただ、外壁塗装の費用を考えた場合、どれぐらいが費用相場か分からなければ確認のしようがありません。塗料代、工事代、足場代の費用相場はどれぐらいか解説します。

塗料代の相場

・アクリル系 1,000円~1200円/㎡
・シリコン 2,500円~3,500円/㎡
・フッ素/㎡ 3,500円~4,500円/㎡
・遮熱など特殊塗料 5,000円~5,500円/㎡

外壁塗装における塗料代について注意したいのは、塗料により価格が大きく変わることです。基本的に耐久年数が長くなれば費用が高くなると考えてください。塗料メーカーや製品でも価格は変わってきます。

一般的に使われる塗料ごとに単価相場を見ると、アクリル系では1,000円~1,200円/㎡、シリコンだと2,500円~3,500円/㎡、フッ素は3,500円~4,500円/㎡で、遮熱、無機など特殊塗料は5,000円~5,500円/㎡というところです。

耐用年数はアクリルで4年~7年、シリコンは8~15年、フッ素は15年~20年、特殊塗料は15年~20年程度となります。ただしあくまで一般的な相場ですから業者によっても価格設定が異なるところは注意したいところです。

工事代の相場

工事代金についてかかる費用ですが、塗装職人に対する人件費、飛散防止ネットや高圧洗浄、養生代金などは必ずかかるお金と考えてください。変化がある内訳は付帯塗装工事についてです。多くの業者では見積書の各項目ひとつひとつに単価が記載され、面積によって計算されています。

・飛散防止ネット 100円~200円/㎡
・高圧洗浄    100円~300円/㎡
・養生代金    250円~400円/㎡
・雨樋      800円~1,200円/㎡
・雨戸      2,000円~5,000円/㎡
・シーリング打ち替え 900円~1,500円/m
・シーリング増し打ち 500円~1,000円/m

業者により異なりますが付帯塗装工事でかかる相場としてはこの程度を考えておくとよいです。他にも、現場管理費が3,0000~5,0000円程度、廃材処理は1,0000円~3,0000円程度というのが相場となります。ただ、上記に上げた物以外の項目もあるので、見積書の内容が気になるなら細かく業者に質問してみてください。

足場代の相場

足場代は計算式があります。足場架面積=【家の外周+8m】×高さというものです。足場架面積は足場をかける面積のことと考えてください。足場は外壁に密着させるのではなく少し離れた場所に設置します。このことから、塗装面積より大きくなりがちですが、それは仕方ないことと考えなければなりません。その上で価格相場を考えると、600円~800円/㎡程度です。

足場代に関しては、まず無料になりません。見積書に「サービス」と書かれている場合、他の内訳の費用が高くなっている可能性があります。

見積書の内訳チェックポイント

チェックリスト

見積書の内訳をもっと詳細にチェックするためには、重要なポイントを理解しておきましょう。

塗装面積を確認する

見積書の内訳を見る際は、塗料を塗る塗装面積を確認してください。悪質な業者の場合、塗装面積も記載せず、すべて「一式」にまとめていることも少なくありません。家の大きさを少し見ただけで「これぐらい」と見積もりを出している可能性があります。

しかし、いい加減に塗装面積を出していると、実際、工事をはじめたときに困ることも出てくるのです。例えば、最初に想定していたより塗料が必要になることなどがあげられます。

しかし、最初に「これぐらい」と言った手前、どうしようもありません。想定していた見積もりより高くなった分、赤字を出したくない業者が手抜きをする可能性もあります。

具体的には、塗装回数や量を減らすというものです。そうならないよう、見積書の塗装面積は適当ではなくしっかりと計上してもらうことをおすすめします。

塗料のメーカー名や製品名が書かれているかどうかチェック

塗料について、見積書の内訳に塗料メーカーや製品名が書かれていない場合、しっかり確認をしてください。また、塗料メーカーの名前が記載されていてもあまり知られていないメーカーは注意が必要です。

日本には、三大メーカーと呼ばれる、日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研があり一般的にどの業者でもよく採用されています。

ただ、一般的に知られていないメーカーでも塗料業界では知られている企業や新興企業があることは無視できません。そうだとしても、インターネットなどで検索すればすぐに情報が出てくるはずです。また、しっかりと業者に質問することもおすすめします。

下地処理やケレン作業は入っているか

見積書の内訳に下地処理やケレン作業が入っているかどうかも確認しておきたいポイントです。塗料を塗る前には下地処理を行う必要があります。ケレン作業も、下地処理のひとつであり、サビ落としのことです。他に、クラック処理など、さまざまな下地処理が必要となってきます。

下地処理をしなければ、新しい塗料を塗っても耐久性が低く、すぐに剥がれる、塗装時期が早まるなどのリスクがあるので注意してください。見積書の内訳に下地処理が記載されていない場合「入っていない」ということを業者に指摘し、慎重に確認してください。

不明な料金はないか

諸経費にはくれぐれも注意が必要です。諸経費だけで何万円もかかっているようなら、見積書の内訳について確認してください。一式ですべて片付けているような見積もりにも注意が必要です。

一式とは具体的に何と何を行うのか、細かい部分まで記載してもらうことで不明瞭になるのを防ぎ納得して外壁塗装を依頼できます。少しでも不明瞭だと感じる内容があれば、遠慮なく質問してください。誠実な外壁塗装業者ならきちんと答えてくれます。

まとめ

外壁塗装は、数十万円もかかるような大規模な工事になります。だからこそ、見積書の内訳や金額についてはきちんと確認が必要です。そのためには、客観的に確認できる見積書がカギとなります。見積書から分かることは非常に多いです。

どんな塗料か、塗装面積はどの程度か、足場代やサービスとして割引されている物まで外壁塗装に関わるさまざまな情報を得られます。見積書に不明瞭な内容があればしっかり業者に確認してください。そうすることで、施工後のトラブルを防げるからです。