木目のある木材が使用された外壁は、温もりのある外観を演出することができます。木目が模様となりますから、落ち着いて上品な和風の雰囲気を出すことも可能です。天然の木材を使用する以外に木質系のサイディングを使用するなどの方法があります。

ただし、外壁塗装で天然の木材を使用するなら当然ですが加工されているものではなく天然のものだということを忘れてはいけません。木材という素材はメリットも多いですが注意点もたくさんあります。木目調の外壁は初期費用だけではなくメンテナンスの手間や費用についても考えなければなりません。外壁を選ぶ時や外壁塗装で木目がある素材を選ぶ場合に知っておきたいポイントがあるので解説します。

木目調の外壁の種類について

木目調で演出ができる外壁についてまずは種類を理解しておくことも大切です。種類と共にそれぞれどんな特徴があるのか知っておけば、外壁選びから外装塗装のメンテナンスについて業者との相談がスムーズになるからです。では木目調の外壁について解説します。

ログハウス

天然の木材を使用する羽目板

羽目板は板のサイドに凹凸が刻まれてそれをはめるタイプの建材です。合成や集成材のような木材ではなく、天然の丸太から切り出したタイプです。羽目板の魅力は時間の経過による経年劣化によって味わいが出る所です。ただしメンテナンスを行わなければ傷みやすいことは理解しておきましょう。

木質系(サイディング)

近年、外壁で良く使われるようになった建材の1つにサイディングがあります。サイディングの大きな特徴は、現場で加工するのではなく工場ですでに板状に加工されていることです。つまり現場に運んだらすぐに建物の表面に貼り付けられますから業者の手間が省けて作業がスピーディーに進むのです。木質系サイディングを使って外壁を木目調にできます。

ただし注意点としては火に弱いというものが挙げられます。サイディングも天然の木を使っているため火に弱い所は注意が必要です。

金属系(サイディング)

金属系のサイディングにも、木目調のものがあります。ただし素材が金属のために、木目調にするには特殊なシートを使います。このことから自然の木目とは若干異なるために高級感があるとは言えません。また、雨風が激しい、海が近い環境では傷つきやすいのは注意したい所です。それでも軽量な所や断熱性があるなどメリットは多いです。

塗装自体を木目調に仕上げる方法も

コテ

外壁塗装によって木目を作ることも可能です。これは外壁を職人が塗料によって木目調に塗装するという方法が用いられます。手慣れたベテランの職人に任せると質は良くなります。また下地によっては塗装が難しい場合もあります。

木目調の外壁のメリットとは?

外壁塗装では様々なデザインを施すことができます。その中でもどうして木目調が選ばれるのでしょうか?それは木材や木目調にしかないメリットがあるからです。では具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

紹介

柔軟性が高くどんなデザインでも合う

家のデザインには和風のものや洋風のもの、モダンなものなど色々な種類があります。木目調の外壁は多くのデザインに対応してくれ、より良いデザインになります。建物全体を見て、少し変化をつけたいポイントに持ってくればアクセントにもなります。例えば、ベランダだけを木目調にするとデザイン性が高く意匠性の高い印象になります。

ただ、外壁がすべて木目調にならないよう色の組み合わせを調和されるにはセンスが必要です。木目調の外壁を建物のどの程度の割合にするかでも見た目や印象は大きく変わるため、この点は慎重に考える必要があるのです。新築で使う、外壁塗装で木目調にする場合は専門業者に色の組み合わせをきちんと相談をすることが重要です。

木目の外壁は高級感も魅力

木目調の中にも明るい色や暗い色が存在しており、外壁に使った場合、それぞれ印象や見た目が大きく変わります。一般的に少し暗めの落ち着いた木目調にすればクールで高級感を漂わせた印象になります。逆に木目調の温かい部分を前面に出したいなら、明るめの木目調の素材を選ぶと良いでしょう。

木目調の外壁塗装はメンテナンス費用が安い傾向

天然の木材を使った羽目板や木質系のサイディングは初期費用が安い素材です。相場の目安としては100万以上の費用が必要になると考えておきましょう。ただし、羽目板も木質系のサイディングでも木材によって価格が変わるのは注意したい所です。また、羽目板や木質系のサイディングはメンテナンス費用がかかることも無視できません。環境などにも左右されますが基本的にメンテナンスは頻繁に行わなければならないからです。

一方の外壁塗装で木目調を作るならば初期費用は100万以下というケースもあります。使用する塗料によっても価格は変動しますが基本的には短期間でメンテナンスを何度も行う必要はありません。また、耐久性を持った塗料を使って木目調にしたいなら、メンテナンスの頻度を下げることもできます。

木目調外壁の注意点

木目調は良い点だけを見て判断せずに、注意点もあることを忘れてはいけません。木目調にする時にはどんな点に注意をすれば良いのか解説します。

NG

外壁塗装では施工業者で仕上がりが大きく違う

外壁塗装で木目調の施工をする際は、実績のある業者に依頼した方が安心できます。塗料によって外壁塗装をするわけですから、行う職人のセンスや技術の影響が大きいからです。経験がまったくない職人が行うと失敗する可能性は高まります。絵が下手な人に塗装を任せたい人はいないでしょう。そのため経験がない職人が行うと色ムラができやすいのです。

サイディングの場合は工場で作られたサイディングボードを入れれば良いだけです。デザインもそれぞれ大きく変わらないので安心感はあります。

外壁材によっては塗装できない場合もある

木目調の外壁塗装では下地によって結果が左右されることもあります。下地次第では外壁塗装が適さない場合も少なくないのです。例えばサイディングの上に木目調を塗装するのはかなり困難と考えておいてください。平たい外壁には木目調の塗装はできない場合が多いので注意しましょう。

木材は水分に弱いためメンテナンスが重要

木質系全般に言えることですが、水分にそこまで強くありません。そのため雨が良く降る地方や水分が溜まった場合、メンテナンスをこまめにしないと腐りやすいのです。しかし何度も外壁塗装をすることは、外壁はもちろん木目模様にも悪影響を与えます。そのためメンテナンスのタイミングがむずかしいのです。

準防火地域では注意が必要

建物のある地域が、準防火地域かどうかも気をつけてください。準防火地域では外壁について一定以上の防火性能が必要とされているからです。これは義務のため、無視することはできません。性能がない場合は建築許可を得ることができないのです。

火

そのため外壁が木材系の場合、施工業者に断られる可能性もあります。ただ、特殊な加工をした木質サイディングでは使える場合もあります。この点も施工業者としっかり相談してください。

まとめ

外壁を木目調にすれば、高級感や木独特の温もりを出すことができます。ただ、外壁に使用する素材によって、受ける印象が変わるのは理解しておかなければなりません。素材によってはメンテナンスの頻度や初期費用も異なります。その点も考えながら、どのような素材で、木目調の外壁にするのか決めましょう。