外壁を長持ちさせるには、何に注意しなければならないのでしょうか?どんなに頑丈な素材を使用しても、雨、風、雪や紫外線と時間の経過には勝てません。しかし外壁塗装などのメンテナンスを行えば、外壁を長持ちさせることは不可能ではないのです。この記事では、外壁を長持ちさせるために知っておきたいポイントを解説します。

永遠に劣化しない外壁はありません

説明

新築でもリフォームでも施工業者に相談した時「メンテナンスフリー」という言葉が出てくることがあります。メンテナンスフリーとは、全くメンテナンスをしなくても良いと考える人もいますが注意してください。少なくとも今、使われている外壁の素材でメンテナンスをしなくても劣化しないものはないからです。

他の素材と比較して長持ちする素材はある

メンテナンスを頻繁にしなくても良いという素材はあります。代表的な素材にタイルが挙げられるでしょう。タイルはメンテナンスをしなくても大丈夫という話もあるのですが、実際は、汚れやヒビ割れや浮きなどが生じてしまうのです。しかし、サイディングボードやモルタルなどよりはメンテナンスを行わなくても長くもちます。タイル以外にはコンクリートも長持ちする素材の1つです。

外壁のメンテナンスのポイント

・劣化しない外壁はないため、業者に「永遠にもつ」と言われたら注意

・サイディングボートの耐用年数はどんな素材でも約40年

・サイディングボードは素材によりメンテナンスの目安が異なる

・タイルは40年、セメントの壁は60年~100年保つという話もある

・タイル自体のメンテナンスは不要

・セメントでは15年~20年でメンテナンスが必要

外壁を長持ちさせるならコーキング(シーリング)に注意を

タイル自体は劣化しにくい素材です。しかしタイル自体は長持ちしても、それぞれのタイルを貼り付けるために必要なコーキングや接着剤の存在を忘れてはいけません。コーキングなどは劣化しやすい部分なのです。

びっくり

これはタイルに限ったことではありません。サイディングボードなどもコーキングのメンテナンスを行わなければ劣化が激しくなります。そのため外壁を長持ちさせるためには使われている素材だけではなく、その他の部分にも注意する必要があるのです。

コーキングの耐用年数の目安

コーキングはどれぐらい長持ちするかは、外壁塗装などのメンテナンスをする際には知っておきたいポイントの1つです。一般的なコーキングの耐用年数は5年~10年程度です。また、コーキングは建物の造りや環境にも劣化のスピードが違うことは覚えておきましょう。それでも新築やリフォームの施工、または外壁塗装でコーキングを打ち替えてから約10年が目安となります。

コーキング(シーリング)の劣化を示す重要なサイン

・コーキングのヒビ割れ

・外壁とコーキング材の間に隙間がある

・コーキングが切れたり破れたりしている

・コーキングが完全に剥がれている

外壁の素材そのものは大丈夫だったとしても、コーキングにこのような問題に気づいたら、打ち替えの目安となる10年が経過していなくても対処した方が良いでしょう。コーキングをそのままにしておくと、例えばヒビ割れから水が入って建物の内部から傷む可能性もゼロではないからです。

外壁塗装で使われる塗料について

メンテナンスである外壁塗装を考える上で欠かせないのが塗料の選択です。塗料は外壁の色という見た目の問題だけで塗装されているわけではありません。塗料は雨や紫外線など、外部からの負担から外壁を守る鎧のような役割を持っているのです。外壁を長持ちさせたければ、塗料の耐用年数なども理解しておいた方が良いでしょう。

古い住宅

外壁に使われる塗料の種類は複数

外壁塗装で使われる塗料について、一番長持ちするのはフッ素や光触媒、無機などの塗料です。この中でも一番長持ちするのが無機塗料です。塗料の原料に無機物を加えたもので、紫外線によるダメージで劣化しないのが強みとなっています。そのため一般的には約20年~25年保つと言われています。

ただし、建物がある環境も影響するので、塗料の耐用年数はあくまで目安程度と考えておいた方が良いでしょう。また、耐用年数が高いほど費用がかかることも覚えておく必要があります。

長持ちする年数とコストを考えて塗料選びを

一般的に耐用年数とコストのバランスが取れているものとして、シリコンやラジカル制御形と呼ばれる塗料があります。もちろん好みもあるのですが、塗料全体で見た時、ちょうど真ん中に位置する耐用年数とコストのためおすすめできるのです。

また、塗料全般に言えることですがそれぞれの個別の塗料にもグレードなどがあります。また、メーカー別でも異なってくるので外壁塗装を行う時はその点を業者に確認しておきましょう。

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一番コストが安く耐用年数が低いのはアクリル

塗料の中で一番長持ちしないのがアクリルやウレタンの塗料です。「通常のアクリル」は安価な分、耐用年数も低いために使われることがほとんどありません。ただし、それは「通常のアクリル」の話なのです。実は近年、アクリル塗料の中には新技術により耐久性を高めているものがあります。

長持ちが期待できるピュアアクリルなどの新塗料

ピュアアクリルやラジカル制御形塗料のパーフェクトトップなどが新しい技術を取り入れたアクリル塗料です。ピュアアクリルは、耐久性を悪化させる不純物を徹底的に排除しています。また、有機ガラスも加えて耐久性を高めているのも注目したいポイントです。

パーフェクトトップは、劣化の原因をコントロールして耐久性を高める工夫が施されています。このような塗料では耐久性がフッ素レベルもあると言われ、外壁を長持ちさせるためには知っておきたい所です。

塗料の劣化を示すサイン

外壁を長持ちさせるには、塗料の劣化にも注目しなければなりません。代表的な塗料の劣化を示すサインの1つにチョーキング現象があります。チョーキングとは触れた手が真っ白になる現象です。これは塗料が劣化し、顔料が粉となっているために起きます。

他にも、外壁にカビやコケが生える、ヒビ割れ、剥がれ、サビが目立つなどのサインも見られるようになります。外壁自体も劣化のサインがあるように、塗料にもあるので、日常的にチェックをし、早めの対処をすることで長持ちにつながるのです。

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塗料選びのポイント

・現在一番長持ちする無機塗料の耐用年数は約20~25年。価格相場は4,500円~5,500円/㎡(3回塗りの合計)

・シリコンの耐用年数は約10年~15年。価格相場は2,300円~3,000円/㎡(3回塗りの合計)

・フッ素の耐用年数は約15年~20年。価格相場は3,800円~4,800円/㎡(3回塗りの合計)

・アクリル塗料は新しい技術が使われた塗料ならアリ。ただし値段はフッ素レベル

まとめ

外壁は家を守ってくれる心強い味方です。ただしどんなに頑丈な素材や塗料を使っても永久に負担を耐えられるわけでもありません。外壁を長持ちさせるには、施工してから約10年を目安にし、外壁塗装業者などに相談をすることです。そうすれば外壁を守ることができ、結果として、家などの建物を守ることにつながります。