「前回の外壁塗装から10年近い年月が経過し、そろそろ外壁の汚れや劣化が目立つ…」そんなときは、外壁塗装を行うべきタイミングとなります。
外壁塗装を検討し始めると目にするのが「プライマー」という言葉ですが、プライマーとはいったいなんなのでしょうか。こちらの記事ではプライマーとはなんなのか、またそれに関連する情報を紹介しています。きっと外壁塗装の参考になる情報ですので、ぜひ最後までご覧ください。
外壁塗装でよく聞くプライマーとは?
外壁塗装について調べ始めると目にすることになるのがプライマーという言葉です。プライマーは外壁塗装の「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3つの塗装工程のうち、下塗りで使用される塗料の1つです。
プライマーの種類
下塗り塗料の1つであるプライマーですが、実はプライマーにはいろいろな機能を持った種類があります。それぞれの性質と使われやすいシーンを見てみましょう。
防錆プライマー
防錆プライマーは、鉄部分などサビが起きやすい箇所によく使用されるプライマーです。防錆プライマーには発生してしまったサビを黒サビに変化させる性能があり、これを使用すればケレンと呼ばれるサビ除去の工程を必ずしも行わなくてもいいのです。
通常のプライマーを使用して下塗りを行う場合には、下地処理の段階でケレンを行わなければサビの腐食を防ぐことができません。サビがあまりにもひどい場合は大規模なケレンが必要なので、外壁の表面を削る必要があります。外壁を削ってしまうと外壁の寿命が短くなってしまうため、できることなら防錆プライマーで外壁に負担をかけないほうが推奨されます。
浸透性プライマー
モルタルやコンクリートなどの無機質な材質で表面を強化してくれるプライマーが浸透性プライマーです。名前の通り外壁へ浸透していくプライマーなので、下塗り塗料が染み込むことで上塗り塗料の耐久性が向上します。古くなったモルタルやコンクリートの場合は、耐久性を復活させるために浸透性プライマーを使用することがあります。
導電性プライマー
少し変わった性質を持った下塗り塗料として、導電性プライマーが使用されることがあります。導電性とは電気を通しやすい性質のことで、導電性プライマーは建物の静電気を放出させる目的で使用されます。精密機器や薬品を扱う施設では静電気一つで火災が発生したり機械が故障したりしてしまうことがあります。適切な箇所に導電性プライマーを塗っておけば静電気がたまりにくくなり、こういったトラブルを未然に防ぐことができます。
プライマー以外の下塗り塗料
シーラー
プライマーと同じような性質を持ち、外壁塗装で使用される機会の多い下塗り塗料にシーラーというものがあります。
プライマーは外壁と仕上げ塗料とをより密着させる塗料ですが、シーラーは塗料が下地に染み込んでしまうのを防ぐ性質を持っています。ただし、それぞれの定義には曖昧なところもあります。
外壁によっては塗料を吸い込みやすい材質のものもあり、その場合にはシーラー自体が吸い込まれてしまい、下塗り塗料としての性能が活かされないことがあります。こういった外壁には特殊なシーラーを使用する必要があるため、外壁塗装をする際にはそれをしっかりと見極めなければなりません。
フィラー
モルタル壁へ塗装を施す際に頻繁に使用される下塗り塗料がフィラーです。モルタル壁にはクラックと呼ばれるひび割れが発生しやすいという特徴があります。フィラーには小さなひび割れを埋める効果があるため、モルタル壁を導入している住宅では重宝します。
フィラーの中には「微弾性フィラー」という、よりひび割れに優れた効果を示す塗料もあります。微弾性フィラーは弾性塗料の1つで、発生したひび割れに対処するというより、ひび割れそのものを起こりにくくしてくれます。ただし微弾性フィラーも万能の塗料ではないので、あまりにも外壁自体まで届く大きなひび割れなどは防ぐことができません。
バインダー
あまり耳にすることのない下塗り塗料ですが、バインダーという下塗り塗料が存在します。シーラーと似た性質を持っているものの、使用されるケースが異なります。シーラーは吸い込みの激しい外壁に対して使用される下塗りであるのに対して、バインダーは塗料を吸い込みにくい外壁に対して使用されます。
下塗りの役割と重要性
外壁塗装の優良業者は、施工の際に必ず3度塗りを実施します。先ほどもお伝えしたように、塗装の工程は「下塗り」「中塗り」「上塗り」の3つに分かれています。剥がれにくく劣化しにくい外壁塗装をするためには下塗りは飛ばすことのできない工程なのです。
仕上げ塗料を壁に密着させる
プライマーを使用する下塗りの工程には、仕上げ塗料を壁に密着させるという役割があります。もし下塗りを実施せずにいきなり仕上げの塗料を塗ったとしても外壁塗装は美しく仕上がりません。安定性がないため施工してすぐに剥がれ落ちてしまったり、塗膜が弱くすぐに汚れてしまったりします。
外壁の凹凸を平らにする
外壁塗装の下塗りの工程には、外壁の凹凸を平らにして仕上がりを滑らかにする役割もあります。塗料と外壁には相性があり、相性が悪いといい仕上がりにはなりません。ただしどれほど外壁と相性のいい塗料を仕上げ材に使用しても、外壁の表面に凹凸があるとその部分の耐久性は非常に悪くなります。これを防ぐために仕上げの塗料を塗る前にはプライマーなどの下塗り塗料を塗るのが一般的です。
悪徳業者にだまされないために
外壁塗装は工事系の分野で最も手抜きをしやすい分野であると言われています。残念ですが、外壁塗装を行なっている業者の中には悪徳業者の数もかなり多くなっています。
「外壁塗装の基本は3度塗りである」とお伝えしましたが、悪徳業者はこの工程を2回や1回に省略し、施工に手を抜こうとします。見積書に下塗りの項目が見当たらなければ手抜き工事の可能性もあるため、きちんと見積書の内容を確認することが重要です。
まとめ
いかがでしたか。外壁塗装に使用される下塗り塗料の1つ、プライマーについて解説しました。下塗りは外壁塗装の仕上がりを左右する重要な工程となります。自宅の外壁にはどの下塗り塗料が適しているのか、しっかり業者と相談してから決めましょう。