外壁に使われる建材の1つにサイディングがあります。外壁塗装を検討する際にはどんな建材を使用したかも大切なポイントになるので、新築、リフォーム、どちらをするにしてもしっかりと理解しておきましょう。

外壁塗装で使われるサイディングとは

一般的なサイディングの形状はパネル型が多く、外壁に貼り付ける形式で使用します。サイディング自体は事前に工場で作られたものを使用するため施工業者の手間が少なく、費用も比較的にリーズナブルな設定となっているのが利点です。

また、材料もデザインも多種多様で選択肢の幅も広い建材です。ただし、もちろんサイディングには欠点があることも留意しておかなければなりません。

サイディングは種類も豊富

一般的に使われているサイディングは窯業系サイディングが多いです。窯業系サイディングはセメントに繊維質原料を加えて作られたもので、多くの住宅に採用されています。デザインの幅が広く美観にこだわる人にも向いています。

他の種類としては金属板を整形した金属系サイディングもあります。金属系サイディングには軽量という特徴があります。さらに、金属系サイディングは建物への負担が少なく、断熱や防水、凍害、防音性に優れていることや、ひび割れに強いという利点もあります。

種類

それ以外にも、塩化ビニル樹脂を用いた樹脂系サイディングや、天然の木材に処理を施した木質系サイディングがあります。

この中で注意したいのは木質系のサイディングです。木質系サイディングはメンテナンスがむずかしいことで知られている建材。家主が自分でもお手入れをする時には注意が必要です。

サイティングの利点とは?

サイディングはデザイン性や耐久性や機能性に優れています。また、施工する際に業者の技術がそこまで影響しないことが大きな利点です。近年ではサイディングに関する研究も行われて技術も発展し、10年~20年前とは比較にならないほど質に関して大きな差があります。

嬉しい

この10年~20年前にサイディングの施工をされた人は、ちょうど、外壁塗装などのメンテナンスを行う良いタイミングです。しかしサイディングはサイディング自体だけではなく、外壁塗装を行う時にも問題となる点がいくつかあるので注意してください。

サイディングには欠点がある?

デザインが豊富なことなど様々な利点のあるサイディングですが、もちろん欠点も存在します。それでは、サイディングにはどのような欠点があるのかを解説していきます。

悲しい

サイディング自体よりもコーキングの劣化の方が早い

サイディングボードを使用して外壁塗装を行う場合には、コーキングという隙間を埋める施工が行われます。サイディングを使用する際の注意点として、サイディング自体よりもコーキングの劣化の方が早いというものが挙げられます。

1日の外気温の変化で外壁は膨張と収縮を繰り返すのですが、その負担を軽減するクッションとしてもコーキングは重要な役割を持っています。しかし、コーキングは施工した時点から紫外線や雨などの影響によって劣化してしまいます。そのためコーキングが傷んでいたなら早めにメンテナンスを行った方が良いのです。

伸縮性のある弾性塗料が使えない

サイディングでは伸縮性を持った弾性塗料を使うことはできません。これはサイディングの「表面が高温になりやすい」という特徴が関係しているからです。

また、吸水性が高いというのも弾性塗料を使えない理由です。サイディングは吸水性が高いため、弾性塗料を塗ったとしてもすぐに剥がれてしまうというトラブルが発生します。

サイディングの工法についての注意点

サイディングが普及し始めたのは2000年頃です。その頃と近年の工法は大きく異なっています。昔は直張り工法で施工されていたのですが近年では通気工法がメジャーとなっています。

疑問

直張り工法の欠点は通気層がなく、水分が入った時にサイディングが湿ることで塗膜にも悪影響が出るという点です。湿気は温まると蒸発しますが、その時、太陽光の影響を受けた塗膜は柔らかい状態となっているために膨れたり、剥がれたりしてしまうのです。

この問題点を改善するために、近年ではサイティングの標準工法として通気工法が用いられることが多いです。10~20年前にサイティングを行った施主はこの点について注意しましょう。もし直貼り工法で施工をしていたら、塗り替えができず張替えが必要になる場合があるからです。

【サイディングの通気工法とは】

サイディングで施工をする場合、最近では主に通気工法という工法が用いられています。直貼り工法では柱の外に防水紙などを貼って、そこに外壁の建材を直接貼っていきます。この場合、外壁内には隙間が生まれませんが、サイディングなどでは湿気が溜まることで問題が生じるのです。

一方の通気工法では、柱と壁材の間に隙間を作ることで水蒸気や湿気が外へ逃げやすくなります。また、入って来た水が隙間を通って外へ逃げていき内部への負担を軽減できるのです。

現在のサイディングではこの通気工法が主流であり、サイディングの外壁塗装を業者に相談した時、話に出る可能性もあるので覚えておくとスムーズです。

サイディングの劣化をチェックするポイント

サイディングを外壁塗装する場合、施工をするタイミングが重要となります。基本的にはサイディングが劣化していれば外壁塗装が必要です。

ポイント

・色褪せが起きていないか

サイディングの塗装が劣化しているかどうか見極めるためには、まず、色あせが起きていないかどうかという点をチェックしてみてください。

・ひび割れや塗装の剥がれ

また、ヒビが入っていないかどうか、塗装が剥がれているかどうかなども重要なチェックポイントです。気温の影響を受けて塗装が膨れるという現象にも注意しなければなりません。

・白い粉がつくチョーキング現象

また、チョーキングもサイディングの外壁塗装を検討した方が良い現象の1つです。チョーキングとは塗装が劣化をして耐久度が低下して、塗料に含まれた顔料が粉になる状態です。例えば触れた手に粉が付着する場合はチョーキング現象が発生してしまっています。

・カビや藻の繁殖

さらにカビや藻が繁殖している場合にも注意が必要です。カビなどが繁殖しやすい環境に建物がある時は特に気をつけてサイディングや外壁が劣化していないかチェックしてみてください。

サイディングは定期的に点検しよう

サイディング外壁を長持ちさせるためには、定期的に点検をすることが大切です。その際には、同時にコーキングにも劣化がないかチェックしましょう。

もし目立つ劣化が見られるようになったら、専門の業者へ依頼してメンテナンスをしてもらうことを推奨します。早めにメンテナンスを行えば、外壁塗装をしなくても済むケースがあります。外壁塗装よりも小さなメンテナンスの方が費用はかかりません。

修理

メンテナンスをしなければ、例えば破損した所から水が入り込んで雨漏りなども生じる可能性があり、建物全体の傷みにつながります。外壁塗装に関する知識と経験があるならば自分でもある程度のメンテナンスをすることは可能です。しかし専門知識がないのに自分で行うと、大きなトラブルに発展する可能性があります。

下手に自分で補修をしてから専門業者に依頼をすると、金銭面の部分でも高額になるので注意しましょう。自分でも定期的にチェックをし、もし何か問題を見つけたら専門業者に依頼をすることが大切です。

まとめ

サイディングは利点も多くありますが欠点もあるのでどちらも理解する必要があります。また、外壁塗装などのメンテナンスを含めて考えることも大切です。基本的にどんな建材でも何かしらの欠点はあります。紫外線や雨、風、寒暖差は外壁に負担を与えて徐々に劣化させていきます。

外壁の建材自体は長期間、良い状態を維持できたとしても、隙間に埋めるコーキングに劣化が起きれば問題は生じるのです。その点を踏まえ、もし外壁に劣化の兆候が現れたならばできるだけ早く専門業者に相談をしましょう。