- 現代の外壁塗装仕上げの主流となっているサイディング工法。安い費用で施工でき、いろいろなデザインの中から選べるのも魅力です。そんなサイディングには材料によって違った特徴があります。こちらの記事を読めばサイディングの種類がすぐにわかります。ぜひ最後までご覧ください。
外壁塗装で人気のサイディングとは?
サイディングとは外壁塗装の仕上げ方法の1つで、サイディングボードという板状の建材を壁に貼り合わせることでできあがります。基本的には工場で模様や柄を施されたサイディングボードを貼るだけの作業工程であるため、難しい技術は要求されません。
サイディングにはどの職人が施工をしても仕上がりが均一になるというメリットがあります。また作業効率が非常にいいので、モルタル工法より工期を短くすることも可能です。
サイディングボードは様々なメーカーから商品が販売されていて、それぞれの製品によって幅や厚みが変わってきます。デザインや見た目で選ばれるのはもちろん、建物や気候との相性から選ばれることもあります。
1番の魅力は費用を抑えられること
近年、多くの人に選ばれているサイディングですが、選ばれる1番の理由は施工費用の安さにあります。サイディングボードはメーカーの工場で大量に作られていて、それ自体の費用はかなり安価になっています。それに加えて施工に高い技術は要求されないので熟練した職人を雇う必要がなく、人件費も抑えられます。
従来の主流であったモルタル工法は難しい技術が必要で、そのぶん施工費用も高くなりがちでした。しかしサイディングは費用を抑えられる上、独創的なデザインや奇抜な柄のものも選べるため、現在の外壁塗装の主流となっています。
ただし維持費がかさむことも
施工費用を抑えられるサイディング工法ですが、メンテナンスや維持のための費用がかさむケースもあります。
例えば、サイディングボードの間の目地にはゴムでできたコーキングという樹脂を入れ込みます。これが劣化してしまうと住宅内部に雨水などが入り込み、建物自体が損傷してしまうのです。建物の損傷を防ぐために、コーキングが劣化してひび割れてきたらその都度修理をしなくてはなりません。
モルタル工法と比べてサイディングは使用する材料が多いため、そのぶん維持費が増えてしまう可能性があるということを覚えておきましょう。
代表的なサイディングの種類と耐用年数の目安
最近になって注目を浴びているサイディングですが、実はそれ自体は古くから日本で使用されていました。もともとサイディングには「羽目板」や「下見板」などの意味があり、建築分野では使われるシーンも多かったです。
現在は工場で大量生産できて模様や柄をつけるのも簡単であるため、より活用される頻度が増えてきました。
木の風合いが美しい 木質系サイディング
木の風合いが美しく、自然の温かみを感じられるのが木質系サイディングです。こちらは自然の木を活用し、それに塗装を施したもの。断熱性に優れているため、保温効果もあります。
ただし木であるがゆえに燃えやすいため、消防法で制限された地域ではこのサイディングは使えません。ひび割れやチョーキング現象が発生したら補修するべき時期となります。
自由度の高いデザインが魅力 窯業系サイディング
セメント質と繊維質が材料となっているのが窯業系サイディングです。窯業系サイディングは自由度の高いデザインが魅力で、シンプルなものから複雑なものまで様々なデザインを選ぶことができます。石積み長のデザインなどは本物の石でできた外壁のように見えるものもあり、現代のデザイン性にマッチしたサイディングとなっています。
日当たりの悪い北側の外壁や湿気の多い外壁ではコケや藻が発生してしまうので注意しましょう。
断熱性と防火性に優れる 金属系サイディング
金属系サイディングはガルバリウム鋼板などを成形し、加工したサイディングです。断熱性に優れているため窯業系サイディングよりも高い保温効果を見込めます。金属と言っても軽量なので、住宅への負担も少なくて済みます。防火性が高いこともメリットです。
窯業系サイディングと同じように様々なデザインの製品が用意されていて、気に入った模様を選ぶことができます。サビが発生しやすいことがデメリットですが、アルミニウム製のものなど比較的サビにくい金属系サイディングも存在します。
劣化しにくく長持ちする 樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは数あるサイディングの種類の中で最も長持ちしやすいサイディングです。塩化ビニル樹脂が原料となっているのでとても軽く、施工に手間がかかりません。
弾力性や耐候性も高いため、長期間そのままでも簡単には劣化しません。色落ちしにくいのも特徴で、美しい外壁を長持ちさせることが可能です。
自分でできる!サイディングのお手入れ方法
サイディングの壁は、こまめにお手入れをするだけでずいぶん寿命が長くなります。次の外壁塗装をするタイミングを遅くできるので、きちんとお手入れをすることは施工費用の節約にも繋がります。お手入れと言っても簡単に掃除する程度のものでOK。サイディングの種類によって少しずつお手入れ方法が違うので、詳しく見ていきましょう。
木質系は雑巾やスポンジでこする
木質系サイディングの場合、硬いブラシや金属のたわしで掃除するとサイディングの表面に細かな傷がついてしまいます。外壁の傷は汚れのもとになってしまうため、木質サイディングの外壁を掃除するときは雑巾やスポンジを使います。水を含ませて、優しくこすることが大切です。
もし水だけで掃除しても落ちない汚れがあるときは、中性洗剤を使ってもOKです。中性洗剤を使用したら、洗剤のカスが残らないようにホースでしっかり洗い流しましょう。注意しなければならないのは、研磨剤の入った洗剤を使用してはダメということ。傷がついてしまうのでクレンザーなどは使ってはいけません。酸性やアルカリ性のものもサイディングが悪くなることがあるのでやめましょう。
汚れを落として洗剤を洗い流したら、最後に乾いた布で水分を拭き取ります。材料が木なので、濡れっぱなしで放置するとサイディングが腐食しやすくなります。ちょっとした手間をかけるだけでサイディングが長持ちしてくれるので、掃除した後はきちんと水分を拭き取るようにしましょう。
窯業系・金属系は自然乾燥でOK
窯業系と金属系も、木質系サイディングのときと掃除の方法は同じです。水分を拭き取る必要はないため、自然乾燥でもOKです。酸性やアルカリ性の洗剤は化学反応を起こすこともあり危険ですので、必ず中性洗剤を使用して掃除してください
最もお手入れが簡単な樹脂系
樹脂系サイディングの場合は、掃除用ブラシを使っても問題ありません。ゴシゴシこすっても大丈夫ですが、あまりにも力を入れすぎるのはNGです。ほとんどの汚れは水だけで落ちてくれますが、どうしても落ちない場合は洗車用のブラシなどを活用するのがおすすめです。
モルタル壁との違い
従来の主流であったモルタル壁は、水と砂とセメントを混ぜ合わせて作ったモルタルを壁に塗ったものです。職人がコテを使って模様を出していくため、高い技術が要求されます。熟練した職人を雇わなければならないため費用は高額になりますが、モルタル壁にはサイディングでは再現できない独特の味があります。
まとめ
サイディングは使われている素材によって特徴が違います。お住いの地域の気候条件などによっても適するサイディングは変わってくるので、外壁塗装業者とよく相談してみてください。最適なサイディングを用いて、納得のいく外壁塗装を行いましょう。