外壁塗装の仕上げ方法には大きく分けてモルタルとサイディングの2種類があります。費用や手間の面で言えばサイディングの方がおすすめで、一般的にもサイディングの方が選ばれるケースは多くなっています。こちらの記事ではなぜサイディングの方がおすすめなのか、メリットとデメリットを紹介しながら解説していきます。

外壁塗装を安く済ませたいならサイディングがおすすめ

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従来の主流であったモルタルよりサイディングの方が、一般的には外壁塗装にかかる施工費用を安く済ませることができます。その理由は主に次の2つです。

・サイディングボードは工場で大量生産され材料費が抑えられる

施工現場で外壁表面に直接模様を施すモルタルとは違い、サイディングボードの模様は工場で作られる際につけられます。そのため同じ模様のボードを大量に生産することが可能で、素材自体の費用が安くなっているのです。

・熟練した職人を雇わなくても施工できるため人件費が抑えられる

サイディングの施工は仕入れたサイディングボードを外壁表面へきれいに貼っていくだけという、非常にシンプルなものとなっています。もちろん素人には難しい作業となりますが、ある程度外壁塗装の現場で働いた経験のある職人であれば比較的簡単に作業を行えます。

モルタルの場合は熟練した職人が複雑な工程をこなし、時間をかけて模様をつけなければいけないため、人件費がかかります。職人にかける人件費を抑えられれば、それがそのまま外壁塗装の費用を安くすることに繋がります。

サイディングにはメリットが多い

電球

サイディングがおすすめな理由は、やはりその手軽さとメリットの多さにあります。まずはサイディングを取り入れるメリットを見てみましょう。

コストを抑えられる

サイディングの方がモルタルよりコストを抑えられることが多いのは前述の通りです。サイディングにはいくつかの種類があり、それによっても費用は変わってきます。

品質とデザイン性の面から選ばれることが多いのは窯業系と金属系のサイディングです。一般的に金属系サイディングより窯業系サイディングの方が価格は安くなっていますが、どちらを選ぶべきかは建物の立地条件や気候によって変わってくるため、業者と相談しましょう。

基本的にはサイディングの方がモルタルより安くなるケースが多いですが、場合によってはモルタルより高くついてしまうこともあります。それは、高価なサイディングを選んだ場合です。特に金属系サイディングは高価な製品も用意されていて、選ぶ素材やデザインによってはモルタルより施工費用が高くなる可能性があります。

「サイディングの方が安いんでしょ?」と決めつけずに、モルタルとサイディングの費用を見積もりした上で検討するといいでしょう。

様々なデザインを選べる

サイディングボードは工場で模様がつけられるとお伝えしました。人間の手で模様をつけるモルタルと違って、機械を使用して模様をつけるサイディングは、モルタルでは実現できないようなデザインや模様のものが豊富にあります。

個性が大切にされている現代では「他の住宅と被らないデザインにしたい」という要望も多々あります。そのため珍しいデザインや奇抜な模様も選ぶことができるという理由でサイディングに決める人も少なくありません。

安定した品質が確保されている

未来

外壁塗装は技術力の高くない業者が施工を行うと、品質面で不安が残ります。しかしサイディングは比較的簡単に施工できる工法であるため、よっぽど悪い業者でなければどの業者で施工してもある程度の品質を確保することが可能です。

また素材となるサイディングボードは工場で作られる製品なので、業者によって品質がまちまちになってしまう可能性も低いです。(ただし悪徳業者は品質の悪いサイディングボードを使用することもあるため注意が必要です。)

正しくメンテナンスすれば非常に長持ちする

外壁塗装の寿命は一般的に10年程度であると言われています。サイディングの場合も10年を目安に外壁塗装をした方がいいのは変わりませんが、サイディングボード自体は正しくメンテナンスをすればもっと長い期間使用できます

サイディングボードの耐用年数は素材によって変わります。耐用年数が長い素材を選んだ上で適切なタイミングに外壁塗装を塗り替えていけば、最長30年ほど使用できるサイディングボードもあります。トータルコストで考えても、サイディングの方が費用を抑えられる可能性が高いのです。

サイディングのデメリットも知っておこう

いろいろなメリットのあるサイディングですが、もちろん良いことばかりではありません。サイディングのデメリットについてもきちんと理解した上で選ぶことが重要です。

メンテナンスの手間と費用がかかる

一般的に、サイディングはモルタルよりもメンテナンスの頻度が多めになります。理由としてはサイディングの繋ぎ目の耐用年数が短いことが挙げられます。

サイディングボードそれぞれの間は目地といって、コーキングというゴムでできた樹脂が入れられます。コーキングはサイディングボードよりも劣化しやすく、ここにひび割れが起きると住宅の中に水などが侵入し、木材が腐ってしまう恐れがあります。

そのためコーキングが劣化してきたらその都度補修をする必要があるのですが、このスパンはモルタルのメンテナンスが必要になるスパンよりも短いです。モルタルのメンテナンスより高額になることが多いため、サイディングはある程度維持するのにお金と手間がかかってしまうのです。

モルタルの特徴も見てみよう!

モルタルは古くから日本でよく使われた外壁の仕上げ方法です。より手軽な施工方法であるサイディングが脚光を浴びるようになってからは以前より導入される頻度は少なくなったものの、高い意匠性があるため現代でも根強い人気のある外壁仕上げです。

左官職人

モルタルと一口に言っても、実はリシンやスタッコ、吹き付けタイルなど様々な工法があります。デザインの自由度が高いため、腕を持った職人ならある程度は要望通りのデザインを施してくれるのが嬉しいポイントです。

モルタルは経年劣化によるひび割れや剥がれが発生してしまうことがデメリットですが、メンテナンスにかかる費用はそれほど高額にはなりません。

高級感を出したいならモルタル

デザインにもよりますが、モルタルの外壁は高級感を持たせられることも多いです。例えば、高級な日本料亭などはサイディングよりもモルタルの外壁の方が雰囲気に合うことでしょう。和風住宅など、より「和の素晴らしさ」を求めるのであればモルタルを選ぶのがいいかもしれません。

まとめ

外壁仕上げには大きく分けてモルタとサイディングという2つの工法がありますが、サイディングにはデメリットを補って余りあるほどのメリットがあります。デザインや費用面で人気があるサイディングは、機能性などを考慮してもおすすめできる工法なのです。