屋根塗装に用いられるサーモアイSiは、遮熱塗料に分類される塗料です。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、遮熱塗料は太陽光による室内の温度上昇を防ぎ地球温暖化に効果を発揮する塗料です。こちらの記事では屋根用の塗料サーモアイSiの特徴やメリット、デメリットなどを解説します。
屋根塗料サーモアイSiの特徴
サーモアイSiは日本ペイントが発売する屋根用の遮熱塗料のことです。強い日差しの照りつける過酷な環境などでも耐久性を十分に発揮してくれます。塗料の種類はシリコン系の2液型で、弱溶剤タイプであるため人体への影響にも配慮されています。
選べるカラーバリエーションはとても豊富になっていて、白やベージュなど人気の高い色はもちろん、濃い青や赤、緑など一風変わった色も用意されています。幅広いシーンで活用しやすい屋根用の遮熱塗料です。
サーモアイSiを使える下地の種類
それぞれの塗料には適した下地とそうでない下地があります。サーモアイSiを使用できる下地は次のものです。
・スレート屋根
・波形スレート屋根
・金属屋根
・トタン屋根
・住宅用化粧スレート屋根
遮熱塗料としての性能
遮熱塗料であるサーモアイSiの具体的な性能を見てみましょう。この項目を読めばいかにサーモアイSiが優れているかがわかります。
太陽の光と熱を反射してくれる
サーモアイSiは最近登場してきた比較的新しい塗料です。以前から使用されている通常の塗料は、太陽による紫外線をはね返す性能には優れていませんでした。従来の塗料には紫外線を塗料が吸収してしまい、塗膜が劣化しやすくなったり、内部の温度が上昇したりといった問題があります。
そんな中、サーモアイSiは遮熱塗料であるため、名前の通り太陽の光と熱を反射してくれる性能を持っています。さらに、サーモアイSiはこれまでの遮熱塗料よりも優れた性質を持った、ハイグレードな塗料なのです。
従来の遮熱塗料より高い遮熱効果を発揮する
外壁塗装・屋根塗装の基本は3度塗り。下塗り、中塗り、上塗りと3回に分けて塗料が塗られ、塗装を万全の状態に仕上げます。従来の遮熱塗料は上塗りの段階でしか遮熱効果を発揮してくれませんでしたが、サーモアイSiは下塗りに使う塗料でも遮熱効果を発揮することが可能になっています。つまり、これまでの遮熱塗料よりも高い遮熱効果を持っている塗料なのです。
遮熱塗料サーモアイSiのメリット
それでは、遮熱塗料サーモアイSiを屋根に塗装するメリットを見てみましょう。
室内の温度上昇を防ぎ快適さを保つ
年々、日本の夏は暑くなっているような気さえします。強い日差しのせいで室内の温度が上がり、帰宅した瞬間の蒸し暑さはとても不快なものです。遮熱塗料サーモアイSiを屋根に塗装すれば、太陽光を反射してくれるため室内の温度上昇を防ぎ、快適さを保ってくれるようになります。
エアコンの温度を下げずに節電・節約の効果も
室内の温度上昇を防いでくれるということは、エアコンの温度を下げなくとも快適に過ごすことができるということです。その結果節電・節約にもつながり家計にも優しいのがサーモアイSiの嬉しいポイントです。
地球温暖化やヒートアイランド現象に効果を発揮
エアコンなどに使用する電気料を減らすことで、CO2の排出量削減にもなります。その結果として地球温暖化やヒートアイランド現象にも効果を発揮してくれるので、環境にも優しい塗料となっています。
耐用年数が長く劣化しにくい
平均的な塗料だと、耐用年数は10年程度となっています。一方遮熱塗料は耐用年数が長いことで知られていて、サーモアイSiにも15年〜20年程度の耐用年数を見込めます。屋根塗装のスパンを長くすることができるため、長期的に見ればコストを抑えられる塗料でもあります。
補助金を給付してもらえる可能性が
これまでに述べた通り、遮熱塗料は省エネ効果に優れた塗料となっています。地球温暖化防止にも役立つため、省エネリフォームであると認められれば自治体から補助金を給付してもらえる可能性もあります。遮熱塗料での屋根塗装を検討しているのであれば、それぞれの自治体での給付金の条件を確認しておくと良いでしょう。
遮熱塗料サーモアイSiのデメリット
そんなメリットの多い遮熱塗料サーモアイSiですが、デメリットがあることも忘れてはいけません。
塗料の価格が高く費用やコストがかかる
性能の高い塗料だからこそ、塗料自体の価格も高めになっています。遮熱塗料サーモアイSiを使って屋根塗装をしようとすると、通常のシリコン塗料で施工する2倍近くの費用が必要になるケースも。長期的に見ればコストパフォーマンスがいいとはいえ、やはり施工金額が高くなってしまうのはデメリットです。
業者の技術がなければ最大限の性能を発揮しない
比較的新しい塗料である遮熱塗料は、扱いにくい塗料として業界でも有名です。屋根塗装を依頼する業者に技術がなければ、せっかくサーモアイSiを使っても最大限の性能を発揮してくれない可能性があります。サーモアイSiはもちろん、遮熱塗料を使用しての屋根塗装を検討している場合は、より慎重に業者を選ぶ必要があります。
冬には冷えやすくなる可能性がある
太陽の日差しを反射してくれる遮熱塗料サーモアイSi。その性質のせいで冬には室内が冷えやすくなる可能性もあります。夏が暑い南の地域には向いていますが、豪雪地帯や冬の寒さが厳しい地域には不向きな塗料かもしれません。
選ぶ色によって遮熱性能が変わる?
これはサーモアイSiだけでなく遮熱塗料全般に共通して言えることですが、遮熱塗料は選ぶ色によって性能が変わってきてしまいます。例えば熱を反射しやすい白やクリーム系の色は、より遮熱性能に優れています。対して黒や茶色、グレー系などの色は熱を吸収しやすいため、若干ですが遮熱性能が劣ります。このように、遮熱塗料を選ぶ際には色でも性能が変わるということを覚えておきましょう。
まとめ
いかがでしたか、屋根用の塗料サーモアイSiの特徴やメリット、デメリットなどを解説しました。太陽の光と熱を反射してくれる遮熱塗料サーモアイSiは、様々なメリットのある塗料です。ただし、施工費用が高くなってしまったり地域によっては向いていなかったりするというデメリットがあることも忘れてはいけません。ハイグレードな塗料である遮熱塗料サーモアイSiを賢く活用して快適な毎日を過ごしましょう。