外壁の塗装は時間が経てば劣化するので、定期的なメンテナンスが欠かせません。また、外壁塗装業者に依頼をするとお金がかかるという理由でDIYを行う人も中にはいるはずです。1階の低い場所なら難易度は低めですが問題は高所です。こちらの記事では屋根の塗装もDIYで行おうとしている人のために注意点を解説します。
屋根の塗装をDIYでするなら安全確保が必要不可欠です
結論から言えば、屋根の塗装を知識と経験がない人がDIYで行うのはやめておいた方が無難です。理由は単純に危険だからです。仕事で高所作業に慣れている人なら安全対策のノウハウも理解しているでしょう。しかし安全対策を理解せず、屋根の塗装を行うほど危険なことはありません。屋根の塗装で重要な安全対策について解説します。
安全のために必要な安全帯などの道具類について
安全帯は、高所からの落下防止のために使われる道具で、いざという時に命を守ってくれる重要な道具と考えてください。基本的に自分の腰よりも高い位置にある構造物にフックを取り付けて落下を防ぎます。
高さが2メートル以上の高所であり、作業床が設置できない場所での作業では、安全帯を必ず使用しなければならないと「労働安全衛生規則」という法律でも定められています。屋根の上は1階建てだとしても落下すれば生命の危険を脅かす危険な場所です。大げさではなく安全帯は自分のため以外にも、家族や親しい人々を悲しませないためにも必要な道具なのです。
胴ベルト型安全帯やフルハーネス型安全帯などがあります
安全帯の種類としては、命綱とベルト、フックという構造となっている胴ベルト型安全帯や、フルハーネス型安全タイプのものなどがあります。胴ベルト型安全帯(一本つり用安全帯)は良く使われる安全帯。胴ベルトから伸びるロープの先にフックが付いておりそれを建物や構造物にかけることでいざという時に落下を防止するタイプの安全帯です。
フルハーネス型安全帯は肩、胸、胴、太もも部分にベルトがあるタイプで、落下した時に体の一部分への過剰な負担を軽くします。また、安全帯と体が離れることへの防止力が高まります。他に地面への落下を防ぐことができたとしても重心の関係で宙吊りの姿勢が逆さまになるのも問題です。フルハーネス型安全帯は、逆さまになるのを防止する構造になっています。
屋根塗装ではヘルメットも身を守るために重要な道具です
安全帯以外の装備としては、安全靴やヘルメットも大切です。屋根で足を滑らせて転ぶと、そのまま落下する可能性が高いというのがその理由。特に、勾配のある屋根での作業では注意が必要です。勾配のある屋根で作業をする場合は高所用の滑らない安全靴や作業靴を履くようにしましょう。
またヘルメットも、落下した際、重要な頭部を守るために必要です。「自分だけは大丈夫」と油断しないよう、屋根の塗装は最新の注意と身を守る準備が大切なのです。
屋根塗装のスケジュールを組むためには工程を把握しましょう
屋根塗装はスケジュールに余裕を持って組むことができれば、焦りによって失敗してしまうリスクを防げます。スケジュールを組む時は屋根塗装の工程を理解しなければなりません。屋根の塗装だけではなく外壁塗装全般の主な工程としては、養生、洗浄、下地処理をして、下塗り、中塗り、上塗りが基本です。
複数人が同時に作業をすることが多い外壁塗装の業者でも、大体、10日~14日程度はかかります。1人で行う場合、家の規模や個人の技術力や知識や経験にも寄りますし、仕事もあるので、3ヶ月ぐらいはかかると考えた方が良いでしょう。
塗装の前に屋根の高圧洗浄を行う必要があります
汚れている上から屋根の塗装をしても、すぐに劣化してまた塗り直す羽目になります。また、屋根にはコケやカビなどが付着していることが多いです。そのため洗浄は重要な工程です。
ホースを使って水で流して汚れを取るのも良いですが、高圧洗浄機を使うとより作業がはかどります。水で流しても取り切れない汚れはコツコツと手作業でキレイにします。
コーキングの補修も重要です
塗膜にヒビが入っている時は、コーキング(シーリング材)を使用して補修するのが一般的です。ただしコーキングにも様々な種類があり、屋根の塗装をする時には最もその屋根に適したものを使う必要があります。
屋根に適したコーキングとしては、変形シリコン系と呼ばれるものが良いです。変形シリコン系には幅広い箇所で使用できる万能性があり、使用した上から塗装ができるのもメリットの1つです。古くなったコーキングをしっかりと補修しなければ、結果、またすぐに劣化する場合もありますし、塗膜のヒビ割れから水分が入ると建物に負担がかかるため、重要な工程となります。
屋根瓦の上は慎重に移動する必要があります
屋根の塗装で注意したいのは、屋根瓦です。瓦の上を移動する時、位置がずれることでそこから雨漏りが生じる場合があります。他にも強く踏みつけることですぐに割れてしまうケースがあります。また、瓦を踏んでずれた時にバランスを崩して下地を踏み抜き落下する可能性もゼロではありません。屋根をDIYで塗装する時は、ちょっとしたことでも大怪我につながるので油断は禁物なのです。
DIYで屋根塗装をするのは失敗のリスクが高いです
作業中は順調でも、仕上がり具合がイメージと大きく異なってしまう場合があります。屋根塗装のDIYで良くあるのが色ムラや、想定したカラーとは違う印象になることです。
外壁塗装業者の塗装作業を見ると、自分でもできるのではないか?と簡単に見えるかもしれませんが知識や技術があるからこそ、キレイな仕上がりになるのです。作業を終えてキレイだと感じても、時間が少し経過しただけで塗膜が剥がれるといったトラブルが起きることも多いのです。
DIYでも屋根塗装は費用がかかります
屋根の塗装をDIYでするとしても、ある程度の費用は覚悟しなければなりません。外壁塗装業者など、専門業者に依頼をした場合は50万円~60万円が相場です。DIYによって自分で行う場合でも30万円~50万円はかかると考えた方が良いです。ただし、塗料や道具にこだわればもっと高くなります。
また、DIYで行ったとしても、失敗をすればまた塗装をやり直す羽目になります。今度は専門業者に依頼をするとなれば追加費用がかかります。それなら最初から依頼をすれば良かったということになるので、屋根の塗装をDIYですることには慎重な判断が必要なのです。
まとめ
「日曜大工」など、最近ではDIYを行う人が増えました。しかし外壁塗装や屋根塗装をDIYでするのは慎重に検討する必要があります。それは知識や技術や経験が不足をしていると、失敗するリスクが高いからです。また、安全面でのことを考えなければなりません。自分だけは絶対に大丈夫と考えた結果、事故につながれば泣くことになります。そうならないよう、屋根の塗装はできるだけ専門の業者に任せる方が得策なのです。